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専門医インタビュー

膝の痛みだけでなく困っていることや悩みは気軽に専門に相談しより良い解決策を探しましょう

髙田 秀彰 先生
  • 髙田 秀彰 先生
  • 洛和会音羽病院 整形外科 関節外科・人工関節センター 参与
  • 075-593-4111

京都府

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専門医認定・資格など:日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医/脊椎脊髄外科専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医、臨床研修指導医

この記事の目次

変形性膝関節症による膝の痛みに悩んでいる方が多くいらっしゃいます。受診することで、痛みの原因や治療法が分かるだけでなく、その方の状況に合わせ、利用できる仕組みや生活習慣の改善など様々なアドバイスを受けることができます。洛和会音羽病院の髙田秀彰先生に、変形性膝関節症の治療法だけでなく、手術に関する様々な疑問や、利用できる色々な仕組みなどについてうかがいました。

偽痛風とはどのような疾病なのでしょうか?

膝の関節液を抜き、ステロイドと局所麻酔薬を注射すると劇的に痛みが改善

中高年の方が、普段通りの生活をしているにも関わらず、1~2日の間に激しく膝が痛くなるのは偽痛風(ぎつうふう)の可能性があります。偽痛風は、ピロリン酸カルシウムが膝の中で結晶を作り、それが関節炎の原因となり皮膚が充血し赤くなり、発熱や腫れをともない激しい痛みが出ることがあります。若い方よりも高齢者に多く、なぜか変形性膝関節症をともなっている方に多く見られます。
発症の原因となる、ピロリン酸カルシウムがなぜ結晶化するかということは分かっておらず、予防する方法も現在のところ見つかっていません。しかし、膝の関節液を抜き、ステロイドと局所麻酔薬を注射すると劇的に痛みが改善します。

変形性膝関節症の治療方法について教えてください

正常な膝とO脚

年齢を重ねるとともに、少しずつ膝が痛んでくるほとんどの原因は変形性膝関節症です。日本人は、なぜか膝の内側から損傷が進みO脚になり、圧倒的に女性に多いのが特徴です。初期の段階では、歩き始めや坂道、階段昇降で痛みを感じることがあります。また、進行すると、痛みがひどくなるだけでなく、正座ができないほど膝の曲がりも悪くなり、更にO脚が進行していきます。治療は、ヒアルロン酸やステロイドの関節内注射、サポーターなどを使用することがあります。また、膝の内側にかかっている負担を外側に変える、足底板(そくていばん)という医療用の靴の中敷きを使用する場合があります。足底板は、健康保険が適応され、病院でご自身の足の大きさ、形に合わせて作ることができます。ただし、効果はすぐに表れず、2~3ケ月くらい使用を続ける必要があります。効果がみられれば、かなり長期間の使用が期待でき、関節内注射の回数を減らせ、進行の予防につながる可能性があります。

変形性膝関節症の進行を予防する方法はあるのでしょうか?

イスに深く座って脚を伸ばした状態を維持

膝にかかる負担を減らすために体重を増やさないことと、脚の筋肉が衰えると膝が不安定になり余計に膝が痛くなるので、特に太ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)トレーニングが有効です。簡単なトレーニング方法は、イスに深く座って脚を伸ばした状態を維持します。ただし、イスに浅く座ってトレーニングすると、腸腰筋(ちょうようきん)と呼ばれる別の筋肉を鍛えることになるので注意が必要です。また、両脚を一度に上げると、腰を痛めてしまうおそれがあるので、片脚ずつ上げるようにしましょう。脚を上げた後は、太ももの筋肉が疲れるまで行わないと効果が期待できません。短時間で鍛えたい場合は、脚に重しを乗せて行うことも効果的です。一日1回でも2回でも良いので、週に2日~5日を目安に、まずは2~3ケ月くらい続けてみましょう。ただし、トレーニングをやめてしまうと直ぐに筋力が落ちるので、トレーニングを継続できるように習慣化していくことが大切です。


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