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専門医インタビュー

手術用ナビゲーションシステム導入で、より安全で正確な人工膝関節置換術を!

末広 昌嗣 先生
  • 末広 昌嗣 先生
  • 長崎掖済会病院 院長
  • 095-824-0610

長崎県

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日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定リハビリテーション医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本リウマチ学会専門医、日本リウマチ財団登録医

この記事の目次

高齢化社会の今、膝の痛みのために、「生活や仕事が思うようにいかない」「楽しい毎日を過ごすのが難しい」といったお悩みを持つ方が増えています。けれども、「人工膝関節置換術」によって、アクティブな生活を取り戻し、笑顔の日々を送っている方が多くいらっしゃいます。その詳細について、長崎掖済会病院の末広昌嗣先生にうかがいました。

膝の痛みの原因は?

膝の構造

「膝が痛い」というお悩みを抱えて来られる方のほとんどが高齢の方です。痛みの度合いや進行に個人差はありますが、年齢層は50代~90代です。この年代の方に集中していることからも、ほとんどが加齢によって生じる痛みであることがわかると思います。
痛みの原因は、多くの場合「変形性膝関節症」と呼ばれる疾患です。年を取ることでだんだんと膝の軟骨がすり減り、痛みや骨の変形を引き起こします。加齢と言う要素に加え、肥満の方や、膝に負担がかかってしまうような職種の方は、進行が早く、痛みもひどくなる傾向があります。また、先天的なものでは、足をそろえて立った場合に両膝の関節の間が開いてしまう「О脚」の方も、膝が湾曲していることが変形性膝関節症の原因となることがあり、「内側型変形性膝関節症」と呼ばれています。症例としては多くはありませんが、膝を合わせた際に左右の足首の関節が離れてしまう「X脚」の方も「外側型変形性膝関節症」になるケースがあります。
変形性膝関節症以外に膝痛の原因として考えられるのが、「関節リウマチ」です。いずれの場合も、女性の方が圧倒的に多いというのも特徴の一つと言えます。

どんな治療法がありますか?

変形性膝関節症のX線

変形性膝関節症のX線

変形性膝関節症と診断された場合、大きく分けて、保存療法と手術療法の2つの方法で治療していきます。レントゲンで進行がどの程度進んでいるか確認し、また、これまでどのような治療を受けてきたかによって治療法を決めていきます。痛みのひどくない方や変形があまり進んでいない方は、まず保存療法を試みます。
保存療法として加齢とともに原因の一つとなっている体重の負荷を解消するため、減量のアドバイスをします。無理なダイエットは禁物ですが、きちんとした食生活や筋力トレーニングが必要です。筋力トレーニングは、体重を落とすためだけでなく、筋力を高めることで悪い部分、つまり、軟骨がすりへって骨に直接負荷がかかっている患部を、筋肉で内側から支えるという効果が期待できるためです。
薬は、痛みを抑えるための「消炎鎮痛剤」を処方します。湿布などをお出しすることもあります。さらに関節内にヒアルロン酸注射を行う場合もあります。

保存療法の「ヒアルロン酸注射」とは?

ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸注射

関節の場合、内部に関節液と言うものがあり、その主成分がこのヒアルロン酸です。関節液には、動きを滑らかにするための潤滑油としての働きや、衝撃を受けた時のクッションとしての効果がありますが、加齢により、少しずつ減少していきます。さらに、変形性膝関節症になると炎症によりヒアルロン酸の濃度が低下するため、症状が悪化してしまうのです。そこで、関節内にヒアルロン酸を直接注入することでこれを補い、関節液の働きを回復させ、痛みを改善させるというのが保存療法の一つになっています。
手術に対する恐怖心や不安がある方、また、内科的な疾患で手術が受けられない方などは、ヒアルロン酸注射を継続的に行っていきます。
変形性膝関節症は慢性的な要素があり、少しずつしか症状が悪化しない傾向もあるため、保存的な方法で治療を続けることは可能です。しかし一方で、どんなに保存療法を続けても改善が期待できない場合は、手術に踏み切ることをお勧めしています。


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