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専門医インタビュー

股関節の痛み一緒に考えましょう 自分でできること手術のタイミング

小林 聡 先生
  • 小林 聡 先生
  • 東芝林間病院 整形外科医長 人工関節センター長
  • 042-742-3577

神奈川県

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1996年山梨大学卒
資格:日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会認定リウマチ医

この記事の目次

股関節の痛みは我慢したから良くなるものではありません。今どんな状態で、それに応じた対応策にはどんなものがあるのか、何よりも本人がどうしたいのか、「どんなことでも相談して」と話す東芝林間病院の小林聡先生に、変形性股関節症について伺います。


中高年の股関節の痛みの原因は?

長年使った関節は、組織が弱って老化、変成してしまうのは仕方がないこと。いつもと同じ動作でも、繰り返し続けていくうちに股関節も壊れていきます。ちょっとした壊れなら問題ないのですが、何か原因が重なって大きく壊れてしまうと痛みに繋がります。
股関節に痛みを引き起こす原因には、「病気」と「ケガ」、そして「臼蓋形成不全」の3つが代表的です。その中で最も多いのが、股関節の屋根(臼蓋)が小さい形状「臼蓋形成不全」による変形性股関節症です。股関節の軟骨がすり減って、痛みを生じます。女性に多いのも特徴です。「病気」には大腿骨骨頭壊死症、「ケガ」は股関節の使い方による股関節唇損傷などがあります。

日常生活の中で注意することは?

中殿筋の筋力トレーニング

中殿筋の筋力トレーニング

股関節が痛くて気になる時には、レントゲンを撮ってみることを勧めます。股関節の形状からくる関節軟骨の損傷なのか? それ以外が原因になっているのかを明らかにします。
痛みが初期の場合は、股関節唇が傷ついて起こっていることがあります。関節唇は、股関節を安定化(求心化)させています。そのため傷つくと関節が不安定になり、痛みが出ます。
この場合は、まず股関節の使い方の指導をしています。例えば、横座りや特殊なヨガのポーズなどは股関節が傷みやすいということなどを知ったうえで、生活様式パターンに注意していけば、急激に悪化することはありません。
痛みで悩んでいる場合は、まずは専門医に相談してみてください。

自分でできることはありますか?

変形性関節症の治療原則

股関節は周囲の筋肉の力で安定しています。筋力が落ちると股関節が不安定になり、痛みが出てきますから、変形性股関節症の悪化を防ぐ方法が筋力トレーニングです。例えば、横向きに寝て痛い股関節側の足を横に上げたまま5秒間キープして、中殿筋を鍛える運動を連続5-10回を1setとして1日に5setやりましょう。股関節の可動域を維持するストレッチと減量も必要です。
痛みのために運動やストレッチができないなら、痛み止め薬の服用、注射、外用剤などをうまく使って痛みを取りながらおこなってください。
痛み止め薬の使用と筋力維持の運動、これらの保存療法を継続しても、変形性股関節症の痛みと関節の変形を改善するのは厳しいかもしれません。股関節は求心性関節といわれているように、すり鉢のようにゴリゴリと摩擦が起こりますから、相当頑張っても痛みを我慢できないことがあります。


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