専門医インタビュー
愛知県
プロフィールを見る
中高年、高齢世代の膝の痛みの原因で、圧倒的に多い変形性膝関節症。「痛みを感じたら、迷わず整形外科へ」と話す金山康秀先生に、変形性膝関節症の原因と治療法について伺いました。
人工膝関節症のレントゲン
膝の痛みの原因は、いくつかあります。その中で、中高年や高齢世代に圧倒的に多いのが、変形性膝関節症です。変形性膝関節症は、膝の関節の軟骨がすり減って軟骨の下の骨がむき出しになった状態で、膝に物理的な負荷がかかると、骨と骨が直接こすれ合い、痛みを感じます。
関節の軟骨は、加齢とともに弾力がなくなってくるので摩耗しやすくなります。それと同時に、半月板という膝でクッションの役割をする組織も加齢によって劣化したり、擦り切れたりします。膝がそのような状態になってくると、立ち上がるとき、歩き始めるときなど膝に負担のかかる動作のときに、痛みを感じることが多くなってくるのです。
その他、変形性膝関節症だけでなく、関節リウマチのように関節に炎症が起こることで生じる膝の痛みもあります。
変形性膝関節症は、加齢による軟骨の変性だけでなく、膝への負担のかかり方も発症の原因になります。例えば、肥満。医学的にはBM(I体格指数)25%以上は肥満です。日本人ではBMI30以上の人はあまりいませんが、中高年以上の方でBMI25〜30を超えているような場合は、かなり変形性膝関節症のリスクが高いといえると思います。
中高年以上の方に変形性膝関節症が多いのは、膝が痛み出すとあまり動かなくなり、そのために太ってしまい、さらに膝に負担がかかるという悪循環が起こりやすくなることも原因ではないかと思います。
そうした体格面の他に、日本人に多いのはO脚気味で膝関節にまっすぐ体重がかかっていないとか、激しいスポーツなどを長年続けてきて膝関節を酷使してきたという場合も、変形性膝関節症のリスクは高いといえます。
膝の痛みを訴える患者さんに対して、整形外科では、まずレントゲン検査から行うのがスタンダードだと思います。 当院の場合は、膝の正面と横、膝を軽く曲げた状態の3方向から、立った状態と横に寝た状態でそれぞれレントゲ ンを撮ります。変形性膝関節症の場合、太ももの骨(大腿骨)と脛の骨の部分に変性が起きてくるのですが、中には、 膝のお皿の部分が悪くなっている患者さんもいるので、3方向からしっかり確認します。さらに、横に寝たときと 立ったときとで、膝関節の隙間がどのくらい狭くなっているかを確認します。 このような画像所見に加えて、どんなときに痛むのかということや痛みの程度、日常生活でどのくらい困っている のかといった患者さんの訴えを聞いて、診断していきます
ページの先頭へもどる
PageTop