専門医インタビュー
神奈川県
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畳に座る生活ではなく、椅子とテーブル、ベッド、洋式トイレ、お風呂場の椅子も高いものを置くなど、できるだけ高い位置で行動することを心がけてください。また、玄関、お風呂場、トイレ、階段に手すりをつけると良いでしょう。一方で、座ったときにお尻が沈み込むようなソファには座らないように気を付けください。その他、犬や猫を飼っている人は、自分の生活に合うようにペットをコントロールできるようにしておくことも大事です。ペットが突進してきて受け損なった場合、腰などを骨折する可能性もあります。術後半年間は、急に体をねじったり、いきなり正座したり、和式トイレにしゃがんだりすることは避けてください。筋力がついて、1本足で立っても安定し杖を突かなくても体が揺れずに歩ける、靴下が履ける、足の爪が切れるまでは、正座はしない方が良いでしょう。
再置換を防ぐには、筋力をつけると共に体重のコントロールをすることが重要です。手術前は痛くてあまり食欲もないし心も痛めていたのに、術後は痛みがなくなり、嬉しくて太ってしまう方がいます。万歩計をつけてきちんと歩数を制限し、適切な体重を維持することが大切です。なお、人工関節は器械ですから、耐久性の限界がやってきます。できる限り人工関節の寿命を縮めないためにも、医師の言いつけは守ってください。最後に、術後5年間は年に1回のペースで、必ずレントゲンで撮影し、人工関節の状態をチェックしてもらってください。5年を経過し筋力もついて体重コントロールができているようなら、2年に1度くらいのペースでも良いでしょう。
女性の場合、どんな年齢の方も、洋服やお化粧、髪形も変わって、皆さん美しくなってきます。手術を受けて脚の長さが伸びたため、スカートの丈が短くなったとか、今までの服が合わなくなって取り替えたといった話も聞きました。痛みだけではなく心理的効果が表れる方もいるようで、手術する前は眉間に2本太い縦皺があったのに、手術したら消えたという人がいました。
繰り返しになりますが、手術の内容や人工関節の利点・弱点を、まずはきちんと理解することが大切です。その上で、残りの人生を痛みなく快適に過ごすために手術を受けるかどうかじっくりと考えてください。身近に手術を受けた方がいらっしゃったら、ぜひ話を聞いてみると良いでしょう。人工関節手術にはリスクがありますが、本人の意欲があれば、十分に意義のある治療法だと思います。分からないことや自分の不安に思っていることなどについて、ゆっくりと詳しく教えてくれる病院や医師を探してください。
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