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脚の付け根が痛むなど、変形性股関節症とはどういう病気ですか？

股関節の構造図

股関節には骨盤にかかる体重を支える機能と、脚をいろいろな方向に大きく動かす機能があります。変形性股関節症は、関節のクッションである軟骨が擦り減ったり、本来は球体をしている大腿骨頭が卵形やラグビーボールのように変形する病気で、体重をかけたり動かしたりすると痛みが生じます。変形が強くなると股関節を動かすことすらできなくなります。また、骨が潰れたり関節が外側に脱臼したりすると、脚の長さにも差が出て、まっすぐ立って歩くことができなくなります。
日本では欧米に比べて先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全など、生まれつきの障害で起こる二次性の股関節症が多く、男女比では女性のほうが圧倒的に多いのが特徴です。変形性股関節症以外に腰からくる坐骨神経痛などによる痛みもあるので、早い段階で専門医を受診し、正しい診断を受けることが大切です。

変形性股関節症の治療法について教えてください。

治療方法には、筋力強化や消炎鎮痛剤による保存的治療と外科的治療があります。変形性股関節症と診断された場合、まず保存的治療を試みます。初期の変形であれば筋トレや体重コントロールで症状が改善することも少なくありません。それでも痛みが強ければ内服薬を服用していきます。いまは関節の慢性的な疼痛に対していろいろな治療薬が使えるようになってきています。
ただし、このような治療は根本的な解決になるとは言えません。痛みが強く、歩行や立ち上がり、階段昇降が制限されるなど、日常生活に支障をきたすようであれば外科的治療である人工関節置換術の適応になります。人工股関節置換術を受けることで痛みがなくなり、関節の動きが改善されるなどの効果が期待できます。
なお、人工関節置換術は、変形性膝関節症にも有効です。股関節痛に比べ、膝関節痛の方のほうが長く我慢している方が多く、人工関節置換術の潜在的需要はより高いと思われます。股関節も膝関節も変形が強くなるほど手術が難しくなりますので、痛みを感じたらそのまま放置せず、一度専門医に相談してください。