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専門医インタビュー

膝の痛みは年齢や活動レベルによってさまざま 膝に痛みがあれば整形外科の専門医に相談を

この記事の専門医

大森 敏規 先生
  • 大森 敏規 先生
  • 岡山労災病院 リハビリテーション科部長 兼 人工関節センター長
  • 086-262-0131

岡山県

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日本整形外科学会専門医、日本体育協会公認スポーツドクター

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この記事の目次

人工膝関節置換術前にはどのような検査などを行いますか?

術前に患者さんに自分の血液を貯血

術前に患者さんに自分の血液を貯血

人工膝関節置換術は、軟骨がすり減って傷んで変形した骨を切除し、金属に置き換えることで痛みを取り除くインプラント手術です。手術前の検査については、膝のX線画像検査と全身麻酔で必要な検査(血液検査、心機能検査、呼吸機能検査、胸部X線)、必要に応じてMRI検査を行います。
また、人工関節の手術は予約手術になりますので、当院では手術前に患者さんに自分の血液を貯血して、通常の献血を用いた輸血の場合に起こりうる副作用や感染症といったリスクを減らすように努めています。貯血した血液は約1カ月間保存が可能ですので手術日から逆算して必要と思われる血液量をあらかじめ貯血しています。
人工関節の大きな合併症の一つに感染があります。特に糖尿病を患っている患者さんは、感染に対する抵抗力が弱くなっているので、手術前にしっかりと基礎疾患を治療する必要があります。

部分置換術と全置換術とはどういう手術方法なのですか?

膝関節は大きく内側部分と外側部分に分かれています。部分置換術は、内側部あるいは外側部のみの膝関節表面を金属に置き換える手術です。全置換術は、内外側の関節面をどちらも金属に置換する手術です。部分置換術は、骨切除量が少なく膝関節の靭帯も残るため、術後の痛みが少なく膝の屈伸もより生理的な動きができます。多くの変形性膝関節症の方は内側部の変形から始まります。部分置換術は内側部だけの軟骨摩耗や骨壊死の場合が適応となります。大腿骨と膝蓋骨の関節面や外側にまで関節症が進行している場合や、十字靭帯が残っていない場合は全置換術が適応となります。

人工膝関節部分置換術の流れ
人工膝関節部分置換術の流れ
人工膝関節全置換術の流れ
人工膝関節全置換術の流れ

人工膝関節の耐用年数や再置換術について教えてください。

人工膝関節置換術後のレントゲン

現在、人工膝関節置換術は20年以上の経過で89%の生存率も報告されています。人工関節の素材や形状などは日々進歩しており、耐用年数も徐々に伸びています。人工膝関節をなるべく長持ちさせるために、より正確に設置すること、内外側の靭帯バランスを適切にとることが重要です。
人工関節の再置換が必要となるのは、人工関節と骨との間にゆるみが生じた場合や大腿骨と脛骨インプラントの間に存在するポリエチレンインサートの摩耗、そして感染などが原因となります。


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