専門医インタビュー
京都府
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個人差はありますが、術後は3~4週間(部分置換術なら2~3週間)ぐらいの入院期間を目標にしてリハビリに取り組むことになります。手術当日はベッドの上で足首を自力で動かす練習をし、翌日からリハビリを始めます。立つ練習、曲げる練習から始めて、数日後に歩行器を使った歩行練習、1週間ぐらいたてば杖で歩き、2~3週間で階段の練習、というように、段階を踏んでリハビリテーションに取り組みます。階段の上り下りができるようになるのがひとつの目安で、ここまで回復すればそれなりの筋力があると判断できるので、帰宅して日常生活をしてもほぼ大丈夫です。もちろん体力や回復力には個人差があるので、場合によっては入院を伸ばすケースもあります。そして、退院後は週1、2回のリハビリに通っていただくことが多いですね。
基本的には普通に生活していただけばいいですし、可能であれば正座もかまいませんが、無理に曲げたり、常に膝を床について立ち上がるなどは負担がかかりやすいのでできるだけ避けた方が良いです。このあたりは術前に主治医としっかり話し合い、具体的に何ができて何ができないかについて納得してから手術することが大切だと思います。
スポーツは、ゴルフや水泳、ウオーキングなどは大丈夫ですが、飛んだり跳ねたりして膝に強い衝撃がかかる種目は避けていただいたほうが安全です。痛みはかなり軽減すると思いますが、無理しないことが大切です。
傷が治れば温泉も問題なく利用できますし、もちろん旅行もOKです。空港のセキュリティゲートでは金属探知機が反応することがあります。人工関節を使用しているという旨の証明を出している医療機関もあるので、海外渡航の際などは手術を受けられた病院に問い合わせてみると良いかもしれません。
痛みが続くと気持ちまで沈んでしまうこともありますが、痛みが軽減すれば、もっといろいろやってみようという意欲がわいてくるのではないでしょうか?
人工膝関節置換術は、膝の痛みを軽減する効果の高い治療法です。もちろん手術以外にもさまざまな選択肢があります。
膝の痛みのために引きこもってしまうことになれば、認知症リスクが高まってしまうこともあります。これからどのように過ごしていきたいかを考え、自分にとって適切な治療法を考えることが大切だと思います。膝の痛みは悩まず、まずは専門医に相談しましょう。
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