ひざの痛みをあきらめていませんか？　症状にあわせて適切な治療を進めましょう

術後のリハビリはどのように進めますか？

リハビリは術後状態が良ければ手術翌日からスタートします。平行棒の中で立って歩く練習から始め、杖での歩行、階段の昇り降りと可動域を広げていくのが一般的な流れです。ただし、術前の状態が悪く、ずっとご自身で階段を登れなかったという方ではもう少し時間がかかることもあります。
痛みがあるとスムーズなリハビリを妨げますので、疼痛コントロールはしっかりと行います。飲み薬のほか、術中に行う大腿神経ブロックなどにより、最近では強い痛みを和らげた状態でのリハビリが実現されています。

自宅に戻ってから普段の生活で注意すべきことは？

まずは転ばないようにすることです。転んで万が一人工膝関節の近くで骨折が起きてしまうと、せっかく手術で整えたバランスが崩れ、再度手術が必要になります。正座はできるだけ避けていただき、術後しばらくは膝をつくときはタオルや座布団で保護することをお勧めしています。スポーツは激しいコンタクトスポーツを除けば、特に制限はありません。
なお、手術を受けた後は人工膝関節に問題がないか定期検診を受ける必要があります。膝の健康状態を把握するとともに術後の生活で不安なことがあれば相談するようにしましょう。

膝の痛みでお悩みの方にメッセージをお願いします

変形性膝関節症の場合、まずは十分に保存療法をするのが原則です。しかし、クリニックで長く治療を続けてきたものの、あまり効果が感じられないという方は、一度大きな病院を紹介してもらい、手術を含めた治療に目を向けてみるのも良いでしょう。人工膝関節置換術は近年大きく進歩しており、「手術は怖い」というイメージだけで断念するのは惜しいものです。患者さんの意思に反して手術を無理強いされるようなことは決してなく、まずは「話だけ聞いてみる」という気軽な気持ちで考えてみてください。