専門医インタビュー
東京都
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ひと昔前のように術後の痛みで、うんうん唸ることがないよう、麻酔科の協力を得ながら手術後の痛みを管理しています。方法としては硬膜外麻酔を手術前に体内に留置し手術後に使うこともあります。また術中に股関節周辺への痛み止め注射を行うなど、経口であれ注射であれ様々な種類の鎮痛法を組み合わせて、痛みをしっかり取ることが今の医療の主流になっていますので、手術による痛みは大幅に改善されています。
どちらの手術を受けた場合も、術後の経過が良好であれば特に制限はありません。関節温存手術の場合は、骨が癒合するまでは無理ができませんが、それさえクリアできれば、生活機能の改善に向かって積極的にリハビリを行っていくことになります。
人工股関節置換術の場合は、術後早期から積極的にリハビリに取り組める点が大きなメリットです。ただし、注意していただきたいこともあります。後側方進入法による手術では、手術でしっかりと修復した関節後方の組織が治癒して強化されるまでの一定期間は無理な姿勢を避けて生活していただくことも大切です。当科では術後2カ月間を目安とし、この間だけは転倒に注意し、正座などの和室動作は避けていただいています。しかし、この2カ月さえ無事に乗り切れば、それ以降、生活の制限はすべて解除され、正座や和室動作、自転車はもちろんのこと、ゴルフ、テニス、ダンス、ハイキング、登山など、活発なスポーツへの復帰も可能になります。
股関節周囲の痛みには、関節そのものから出る場合もあれば、周囲の筋肉や神経、離れた腰椎(ようつい)に原因がある場合など、色々なパターンがあります。また、手術を受けるほとんどは高齢の方で、内科的な問題も含めて、股関節以外の疾患や持病を抱えていることが少なくありません。かかりつけの先生から、関節由来の疑いがある、あるいは手術を考えたほうがいいね、と言われた場合は、大学病院のような複数の診療科がある総合病院への受診も選択肢に入れていただきたいと思います。そういう方にとっては、総合病院のように色々な診療科の先生が控えている医療機関は安心して治療に専念していただけるのではないかと思います。
股関節に痛みや違和感があれば、放置せず早めに専門医にご相談ください。
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