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専門医インタビュー

股関節の痛みは我慢しないで専門医に相談を 早期に原因が特定できれば治療の選択肢が広がります

平野 優樹 先生
  • 平野 優樹 先生
  • 新潟大学医歯学総合病院 新潟大学大学院 医歯学総合研究科 機能再建医学講座 整形外科学分野 専任助教
  • 025-227-2460

新潟県

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専門分野:股関節・整形外科一般
資格:日本整形外科学会整形外科専門医

この記事の目次

中高年の女性に多い変形性股関節症。痛みに悩んでいるものの、なかなか受診せず、我慢して様子を見ているうちに、いつのまにか重症化しているケースも少なくないといいます。「股関節に痛みがある方は、我慢せずにまずは一度、股関節の専門医に診てもらいましょう。早期に痛みの原因が特定できれば、それだけ早く適切な治療を始めることができます」とアドバイスする新潟大学医歯学総合病院の平野優樹先生に、進化を続ける治療法などについてお話をうかがいました。

股関節の痛みの原因となる主な疾患を教えてください

寛骨臼形成不全

寛骨臼形成不全

股関節が痛くなる原因としては、骨盤にはまり込んでいる太ももの骨(大腿骨頭(だいたいこっとう))が壊死(えし)(大腿骨頭壊死症)しそれが潰れて痛みが出たり、骨盤側の股関節唇(こかんせつしん)と呼ばれる軟骨が損傷(股関節唇損傷)することで痛みが出ることがありますが、中高年以降で最も多いのは「変形性股関節症」です。変形性股関節症は、大腿骨頭を覆っている骨盤側の受け皿(寛骨臼(かんこつきゅう))の被りが浅いために支える面積が小さくなってしまう「寛骨臼形成不全(かんこつきゅうけいせいふぜん)」が主な原因だといわれています。
支える面積が小さいと歩行時などにストレスがかかりやすく、その状態が続くことでクッションの役目を果たす軟骨がすり減り、骨と骨が直接ぶつかり痛みが出てきます。また寛骨臼形成不全だけでなく、大腿骨頭壊死症や股関節唇損傷が進行して変形性股関節症に移行するケースもあります。

どのような痛みを訴えて受診する方が多いですか?

股関節唇損傷

股関節唇損傷

変形性股関節症と大腿骨頭壊死症は歩行時や安静時の痛みを訴える方が多いですが、股関節唇損傷は脚を深く曲げた時に痛みを感じる方が多いようです。また、痛みを感じる部位は太ももが痛い、お尻が痛い、腰が痛いと股関節以外の場所に痛みを感じ受診される方もいらっしゃいます。そのため腰の治療を続けていても症状がなかなか改善しない場合は、股関節が痛みの原因である可能性がありますので、股関節の専門医に相談してみてもいいかもしれません。痛みの本当の原因が早くわかれば、それだけ早く適切な治療を始めることができ、症状の早期改善に結びつく可能性が高くなります。

変形性股関節症の治療や手術はどのようなタイミングで考えたほうがいいのでしょうか?

筋力トレーニング

筋力トレーニング

まずは痛み止めの薬で痛みを抑え、筋力トレーニングを中心としたリハビリテーションを行っていきます。こういった治療で症状が改善する方も少なくありません。ただし、治療を続けても症状が改善せず、痛みや変形が進行して日常生活にも支障をきたすようであれば、手術を考えてみるタイミングではないかと思います。実際に「人工股関節置換術(じんこうこかんせつちかんじゅつ)」を決断されたケースを見てみると、痛みで仕事が思うようにできなくなった、痛みのせいであきらめていた旅行やスポーツといった趣味をもう一度できるようになりたいという思いから手術を受けることが多いようです。

骨切り術や人工股関節置換術とはどのような手術ですか?

骨切り術

骨切り術

変形性股関節症の手術には大きく分けて「骨切り術(こつきりじゅつ)」と、変形して傷んだ股関節の表面を取り除き金属やポリエチレンでできた人工股関節に置き換える「人工股関節置換術」があります。骨切り術は、骨盤の骨を切り、回転させて固定することで荷重面積を大きくし、股関節の機能を改善させる手術で、自分の関節を温存することができます。しかし「軟骨が保たれている」「40代くらいまで」といった適応条件があり、変形が進んで適応にならない場合は、人工股関節置換術を検討することになります。また骨切り術は、骨盤を切って人工的に骨折を起こすような手術ですので、術後に骨がくっつかない癒合(ゆごう)不全から偽関節(ぎかんせつ)を発症する場合があります。


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