メニュー

専門医インタビュー

股関節・ひざの痛み あきらめずに相談を! 早期の受診と診断で改善を目指しましょう

この記事の専門医

牧之段 淳 先生

京都府

プロフィールを見る

1991年 金沢大学医学部卒業
2020年 西陣病院 副院長 兼 整形外科主任部長
資格:日本整形外科学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、京都府立医科大学整形外科客員講師、医学博士

この記事の目次

手術後のリハビリについて教えてください

杖で歩く練習

一般的には手術した翌日からリハビリを開始するケースが多いです。まずは、ベッドサイドで立つ、歩く練習から始まります。手術翌日は麻酔が残っているなどの影響などで気分不良になっている方もおられます。そのため、医師の立会いのもと問題なくリハビリを進められるか慎重に様子をみます。続いて、歩行器を使って歩く練習、杖で歩く練習、曲げ伸ばしといった可動域を広げる練習と進めていき、一本杖で歩けるようになる、階段の昇り降りができるようになると退院の目安となります。
手術後の痛みはリハビリの中で感じることもあります。手術直後であれば麻酔科の先生とも協力して痛みを抑える治療を行うほか、必要に応じてお薬の服用を行います。

退院後の生活で注意することはありますか?

人工股関節置換術後は、脱臼に気を付けていただく必要があります。アプローチ方法の開発により脱臼リスクは以前と比べて減ってはいるものの、特に手術後は手術をした周辺の組織が回復していませんので、脱臼しやすい動作はとらないよう生活の中で気を付けてください。後方アプローチであれば内股でしゃがんで下の物を取ったり靴下の着脱、足を組むなどの動作、側方・前方アプローチでは脚を後ろに伸ばして外側にひねったり大きくのけ反るような動作に注意が必要です。
股関節、ひざともに、手術後のスポーツや趣味の再開については医師とよく相談されることをお勧めします。また生活スタイルを見直すことも有効的です。例えば、お布団や畳、和式トイレなどを使う動作は関節に大きな負荷がかかります。ベッドや椅子、洋式トイレを意識して取り入れてみるといいでしょう。さらに、手術後も定期的に検診を受け、人工関節に問題がないか診てもらうようにしましょう。

最後に、読者の方へ向けてメッセージをお願いします

変形性股関節症、変形性膝関節症は年齢とともに徐々に進行していく疾患です。進行することで、腰など別の部位の疾患に発展したり、可動域が狭くなることで転倒し骨折してしまうリスクも高くなります。「整形外科を受診したらすぐに手術を勧められるのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。お薬やリハビリ、ひざであればヒアルロン酸注射や装具療法、そして手術という幅広い選択肢の中から、患者さんの変形の程度や生活スタイル、ご自身の気持ちをしっかりお聞きした上で、治療内容を考えていきます。ご自身の状態を知るという意味でも、痛みにお困りの場合は、早い段階で整形外科に相談されることをお勧めします。


この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop