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専門医インタビュー

歳のせいと諦めないでください 変形性股関節症の治療は進歩しています 専門医にご相談ください

この記事の専門医

宮武 和正 先生
  • 宮武 和正 先生
  • 国立大学法人 東京医科歯科大学医学部附属病院 整形外科
    国立大学法人 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 運動器外科学 講師
  • 03-3813-6111

東京都

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専門:股関節外科

この記事の目次

人工関節置換術の合併症にはどのようなものがあるのでしょうか?

前方アプローチ

代表的なものとして感染症や人工関節が外れる脱臼があります。感染症は、虫歯や水虫などご自分の病気が原因になることがありますので、手術前に治療を行うことをお勧めしています。また、糖尿病の方の場合、血糖値がコントロールされていないと感染症のリスクが高まるため、糖尿病の方は血糖値をコントロールし予防していきましょう。
後方の筋肉が温存できる股関節の前方から筋肉を切らず侵入する手術を行うことで、大幅に脱臼リスクを低減できるようになっています。また、人工関節を正確な設置に正しく設置するとともに、手術中に脚を動かし、普通の動きでは外れないことを確認しますので、日常での活動に特に制限はありません。

入院期間中に行うリハビリや、退院後に気をつけた方が良いことはありますか?

リハビリ

患者さんごとに、筋力の状態やご自宅の環境、生活スタイルが違うので、その方にあわせたリハビリプログラムが必要になります。歩く練習や筋力強化、可動域を広げるストレッチなどが中心になりますが、お風呂に入る練習など、ご自宅に戻ってご自分で色々なことができるようにリハビリを行っていきます。手術前は、無意識に痛みがある場所をかばう歩き方になっていることがあります。正しく歩けるようになるまでは杖を使っていただいたほうが安全なので、杖を上手に使う指導を行うことがあります。
退院後しばらくすれば、テニスやゴルフなどをされている方もいます。しかし格闘技のように身体が激しくぶつかるコンタクトスポーツは、骨折や人工関節が破損する可能性があるので控えるようにしてください。動くと人工関節が傷むのでは、と心配する方もおられますが、じっとしていると筋力が低下し可動域も悪くなります。せっかく人工股関節の手術を受けたのですから、これから先、元気にずっと過ごすために、しっかり活動して必要な筋力をつけて、QOL(生活の質)を上げていただきたいと思います。

現在、股関節の痛みに悩んでいる方にメッセージをお願いいたします

変形性股関節症のパンフレット

病院に行くと、すぐに手術を勧められると思っている方もおられますが、手術を受けるかどうかは患者さんが決めることなのです。現在は、様々な情報が入手しやすくなっていますが、中には間違った情報も含まれます。高齢だから、持病があるから、手術を受けるのは無理なのではと諦める必要はありません。色々な診療科のある総合病院であれば、他科の医師と連携し、必要であれば事前に別の悪くなっている部分を治療できますし、もしも手術中に何かあっても迅速に対応できます。病院を受診することに抵抗があるかもしれませんが、股関節に痛みや違和感があれば、まずはご自分の状態を正しく把握するために専門医を受診していただきたいと思います。できるだけ早めに受診していただければ、手術を回避できるよう、なるべく手術を受ける時期を延ばせるように、様々な治療方法があります。


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