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専門医インタビュー

ひざ・股関節の痛みは整形外科に相談を!多くの選択肢から適切な治療法を選びましょう

砂川 隆英 先生
  • 砂川 隆英 先生
  • 呉羽総合病院
    部長
  • 0246-63-2181

福島県

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認定資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本人工関節学会認定医、日本骨粗雑症学会認定医、身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)、東邦大学整形外科学講座専任講師
専門分野:人工関節・股関節外科・骨粗鬆症
羽田 勝 先生
  • 羽田 勝 先生
  • 厚生中央病院
    整形外科医長
  • 03-3713-2141

東京都

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認定資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本人工関節学会認定医、東邦大学整形外科学講座助教
専門分野:膝関節

この記事の目次

高齢者に多い股関節や膝の痛み、その代表的な病気が「変形性関節症」です。痛みで登山やスポーツなどの趣味を諦めたり、家事がしづらくなったりする前に、整形外科を受診してみませんか?現在では治療の選択肢も増えました。その中から症状に合わせ、医師と相談しながら治療法を決めることができます。今回は呉羽総合病院の砂川先生に股関節について、厚生中央病院の羽田先生に膝について教えていただきました。

高齢になってから股関節や膝が痛む場合、どんな原因が考えられますか?

寛骨臼形成不全

寛骨臼形成不全

砂川 高齢者の股関節の痛みで考えられるのは、変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)です。体重の増加や加齢により軟骨がだんだんすり減り、関節が傷んで骨が変形するものです。社会の高齢化が進んだ結果、加齢を原因とする変形性股関節症は増えています。
股関節は骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう)と太もも側の大腿骨頭(だいたいこっとう)で構成されています。日本人は、大腿骨頭を覆っている寛骨臼のくぼみが浅い寛骨臼形成不全を患っている方が多く、そこから変形性股関節症に発展するケースが少なくありません。その場合は40代など若いうちから痛みなどの症状がでることもあります。

羽田 膝の痛みに関しても、高齢者であれば、変形性膝関節症が疑われます。股関節と同じく、膝の軟骨がすり減り、骨の変形が進行する病気です。原因としては、若いときに怪我やスポーツで半月板という組織を損傷した影響で発症する続発性の場合と、主に加齢変化によって発症・進行する原発性があります。

どんな痛みで受診する人が多いのでしょうか?受診すべきタイミングは?

正常な膝と変形性膝関節症

砂川 股関節の痛みは、活動していて感じる方が多いです。例えば、趣味の山登りをしていて痛いとか、運動、散歩、旅行などの趣味に支障が出ているとかが多いですね。しかし中には受診を先延ばしして、股関節が外れてしまう脱臼が生じてから来る方もいらっしゃいます。完全に脱臼してしまうと、手術の難易度も上がります。痛みを我慢せずに早めに受診されたほうがいいでしょう。

羽田 違和感があれば、まずは受診していただければと思います。受診したからといって、すべて手術になるわけではありません。10年、20年を手術以外の方法(保存療法)だけで過ごす患者さんもたくさんいらっしゃいますし、基本的には医師が無理に手術を勧めることはありませんから、心配しないで気軽にご相談ください。今どういう状態にあるのかを知り、適切な治療を一緒に考えていきましょう。

手術をしない保存療法とはどのようなものですか?

砂川 炎症を抑え、痛みをとるための湿布や塗り薬のほか、運動療法も行われます。股関節を動かせる範囲(可動域)を広げ、筋力をつけることが目的です。筋肉は股関節を支える大事な要素ですから、強化することで関節が安定するわけです。体重を減らすことも、関節にかかる負担を軽減するので、たいへん有効な手段です。ただ、関節が痛いとジョギングなどはできませんから、負荷の軽い運動が推奨されます。例えば水泳、あるいは自転車をこぐのもいいですね。バランスボールに乗るだけでも、可動域が広がります。
痛みと変形の度合いにより、ずっと保存療法でいけることはありますが、夜寝ているときに痛みがあったり、日常の活動範囲が狭まってきたり、変形が進んで左右の脚の長さが変わり、腰など他の部位にも影響するようなら、手術を検討することになるでしょう。

羽田 膝の保存療法も同じで、リハビリの先生による指導のもと、太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛える運動をするのが一般的です。こうしたリハビリも含め、早く受診していただくほうがいろいろとアドバイスの幅が広がります。減量も、膝にかかる負担を軽減するためには欠かせません。また、膝へのヒアルロン酸注射は関節の潤滑性を高めます。変形が進んで骨が崩れてくると、歩けなくなるなど日常生活の活動性が一気に下がります。そのタイミングで手術について話し合います。


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