専門医インタビュー
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手術を受ければそれだけで痛みが取れてうまく歩けるわけではありません。手術後の痛み、関節の腫れ、炎症によりリハビリをちゃんとしないと膝関節の動きが悪くなったり、筋力の回復が遅れ、せっかく手術を受けてもうまく歩くことができません。とは言え、痛みがあると思うようにリハビリが進まないので、通常の消炎鎮痛剤に加えてオピオイド鎮痛剤を組み合わせて疼痛管理をすることでリハビリを頑張っていただけるようです。
末期の変形性膝関節症の患者さんは膝が完全に伸ばせなかったり、筋力が落ちていることが多いので、膝関節の動きを大きくするリハビリ、筋力をつけるリハビリは術前から積極的に行うことで術後も早い回復が期待できます。
アイシング
手術後3ケ月程度は手術を受けた膝の腫れぼったさや術前とは異なる痛みがあります。腫脹や熱感を感じる時はアイシングすることが大切です。入院中はもちろん、退院後もタオルを使用してご自分で積極的に膝を曲げる運動、大腿四頭筋訓練など、膝周囲の柔軟性、筋力維持に努めることが大切です。時間の経過とともに段々と良くなっていきますので、ご自身のペースでリハビリを続けるよう頑張ってください。
人工関節を長持ちさせるために人工関節に負担をかけない生活をすることが大切ですが、正座する、ジャンプする以外は特に制限はしていないです。スキーやサッカー、バレーボールなど膝に負担のかかるスポーツは避けたほうが良いですが、ゴルフや水泳、グランドゴルフや卓球はお勧めです。退院後も定期的にレントゲンで人工関節や骨の状態を確認し、人工関節や骨の不具合がないかを確認するので、定期的な受診は忘れないように注意しましょう。
膝が痛いと言っても痛みの程度、関節症の進行度合いによって色々な治療法があります。また、腰椎、股関節が原因で膝に痛みが生じることもあります。一度専門医の診察を受けて痛みの原因を明らかにしましょう。手術を受けることに対して、どれくらい痛いんだろう、高齢だけどリハビリはしっかりできるんだろうか、歩けなくなるのではないだろうか、と躊躇される方がおられます。しかし、手術を受けた方から、こんなことなら手術を早く受けておけば良かったと言われることがあります。手術を受けたほうが良いのか、手術によってどの程度改善が見込めるかなど、不安なことや疑問があることは何でも専門医にご相談ください。
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