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専門医インタビュー

治療の選択肢を広く持つために、膝の痛みを感じたら早めに整形外科へ受診を

山際 浩史 先生
  • 山際 浩史(やまぎわ ひろし) 先生
  • 済生会新潟病院 整形外科部長
  • 025-233-6161

新潟県

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ドクタープロフィール:医学博士、日本整形外科学会専門医、日本人工関節学会認定医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

この記事の目次

レントゲン検査では異常が見られない場合でも、膝の痛みを感じていたら変形性膝関節症の初期段階である可能性があるようです。症状の進行を予防するためには、早めに整形外科を受診し治療をしっかり続けることが大事です。変形性膝関節症の保存療法や手術方法の特徴、術後の生活などについて、済生会新潟病院整形外科部長の山際浩史先生にうかがいました。

膝関節が痛む原因にはどんなものがありますか?

正常な膝と変形性膝関節症(進行期)

50歳以降の方であれば、主に変形性膝関節症が原因だと考えられます。しかし、変形性膝関節症が初期の段階では、軟骨や半月板の損傷はレントゲン検査だけでは診断しにくいことがあり、症状が続けばMRI検査を行って詳しく調べることがあります。変形性膝関節症は女性に多い病気なのですが、女性にO脚が多いことや筋力が男性よりも低いことが関係していると言われます。また、骨粗しょう症が起因となり、O脚気味になったり軟骨の下にある骨(軟骨下骨)の骨密度が下がり変形性膝関節症が進むという報告があります。そのような変化も男性より女性のほうが大きいと考えられています。

変形性膝関節症と診断された場合、どのような治療を受けるのでしょうか?

ダイエットも重要

初期の場合は、内服や外用の消炎鎮痛剤の使用や、ヒアルロン酸の注射をすることが多いです。また、筋力トレーニングも効果的です。しかし、筋力トレーニングと言っても、痛みを我慢してたくさん歩いたりジョギングをしたりするのではなく、膝関節に負担が伴わない筋力訓練から開始していきます。40歳以上では、毎年1%ずつ筋肉が減っていくと言われ、太ももにある筋肉の筋力低下が原因になっていることがあるので、大腿四頭筋の筋力訓練を重点的に行います。その他に進行を予防する方法として、膝の負担を減らすためにダイエットも重要です。ダイエットを一人で継続することは難しいと思いますが、週に1度くらいは体重計にのって記録をとるようにしてみましょう。

変形性膝関節症が原因で要介護・要支援になってしまうことがあるのですか?

変形性膝関節症などが原因となり身体能力が低下すると、ロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態)となり、要介護・要支援のリスクが上がってしまうことが近年課題となっています。ロコモの予防として、片足で立つ運動や、椅子に座って行える運動などがあり、ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトやパンフレットなどで紹介されています。ただ、簡単な運動でもなかなか一人で続けていくことは難しいかもしれないので、ご家族やお友達と一緒に行ったり、専門の指導者に指導してもらったほうがモチベーションを維持しやすいと思います。

ロコモティブシンドロームはこちら

膝の痛みを感じたら、早めに受診をしたほうが良いのでしょうか?

骨壊死

骨壊死

膝の内側に痛みや腫れを感じたり、以前のように膝が曲がらなくなったり、中には膝に水が溜まってから受診される方もおられますが、痛みを感じたら、早めに整形外科を受診したほうが良いと思います。例えば、内側の半月板の後ろが突然切れてしまい、膝の後ろ側が急に痛くなることがあります。それを我慢して受診するのが遅れてしまうと、骨が少し潰れる骨壊死(こつえし)という疾患になることがあります。早い段階で治療できれば良いのですが、我慢を続け変形性膝関節症になってしまうと、手術になる可能性が高まります。今までとは違う痛みを感じたら、早めにお近くの整形外科に相談いただくことで治療法のバリエーションを多く持つことができると思います。


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