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専門医インタビュー

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この記事の目次

長い時間をかけて少しずつ親指の付け根が「くの字」に変形していく外反母趾。靴に当たる痛みを訴える人が多いのはもちろん、症状が進行すると他の指まで影響が及んだり、歩行障害につながる可能性があるそうです。今回は、聖マリアンナ医科大学病院の仁木久照先生を訪ね、早期受診の大切さや外反母趾のさまざまな治療法、普段の生活で気をつけることなどについて幅広くお話を伺いました。

足の親指の痛みや腫れには、どのような病気が考えられますか?

正常な足と外反母趾

足の親指の痛みの原因として、代表的なものでは痛風(つうふう)や強剛母趾(きょうごうぼし)、外反母趾(がいはんぼし)などが挙げられます。痛風は男性に多く、「痛風発作」と呼ばれる歩けないような激痛がある日突然起き、腫れを伴います。強剛母趾は、中足趾節関節(ちゅうそくしせつかんせつ/MTP関節)の変形性関節症であり、親指を反らせるような動きに強い痛みを感じます。
そして中高年以降の女性に圧倒的に多いのが、見た目の変形を伴う外反母趾です。長い年月をかけて親指の付け根がだんだんと「くの字」に変形して、バニオンと呼ばれる局所的な腫れを生じます。加齢に伴う一般的な外反母趾を特発性(とくはつせい)と呼ぶのに対し、免疫異常による関節リウマチ性の外反母趾もあります。親指だけでなく他の指を含めて関節全体が腫れてくるのが、関節リウマチ性の外反母趾の特徴です。

特発性の外反母趾が起きる原因は何ですか?

足の構造

内因性・外因性それぞれで原因が考えられます。内因性のひとつは遺伝が考えられ、母親や祖母が外反母趾という人は、ご自身も外反母趾になりやすい傾向があります。また、加齢による足根中足関節(そっこんちゅうそくかんせつ/TMT関節)の緩みも外反母趾の原因となりえます。親指のTMT関節が緩むと、第1中足骨が内反しながらねじれてくるなど三次元的な変化が起こります。加えて、第1中足骨の先にある基節骨(きせつこつ)が外反することにより、外反母趾を生じます。こうした変化は40歳くらいを境に多く見られるようになります。
外因性については、大きいのは靴の影響です。ヒールが高くつま先が細い靴を履くと、足の指先がぎゅうぎゅうに詰められた状態になります。ヒールが高ければ高いほど、つま先への荷重やストレスは増え、足裏にタコ(胼胝・べんち)ができることもあります。中高生の頃から外反母趾が気になっていたものの、大人になってハイヒールを履くようになり痛み・変形が進むという人も少なくありません。

痛みや腫れがある場合、どのようなタイミングで受診すべきですか?

痛みや腫れがあれば、なるべく早めの受診をお勧めします。特に、親指のMTP関節だけではなく他の関節にも腫れが見られるような場合は、関節リウマチ性の外反母趾の可能性があり、早期に見極めることが大切です。通常の外反母趾であれば、症状が軽いうちに医師の指導のもと、靴を見直したり運動療法に取り組むことで進行の予防や痛みの軽減ができます。初診ではまず問診の上、外観上の所見をとります。また正確に病状を把握するためレントゲンを撮ります。親指の中足骨と基節骨がつくる角度を外反母趾角と呼び、20度未満は正常、20度~30度未満を軽度、30度~40度未満を中等度、40度以上を重度としています。

外反母趾角重症度

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