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専門医インタビュー

膝の痛み 痛みの原因を知り対処法を知りましょう 手術という選択肢もあります

この記事の専門医

伊藤 宣 先生
  • 伊藤 宣(いとう ひろむ) 先生
  • 公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院
    整形外科主任部長 兼 人工関節・関節機能再建センター部長
  • 086-422-0210

岡山県

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専門領域:関節リウマチ、全身の変形性関節症、足の外科
専門医等:日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リハビリテーション医学会専門医

この記事の目次

手術を行う上でどのようなことが大切になるでしょうか?

手術のリスクとして特に注意が必要な合併症は感染症です。手術では皮膚を切るため、そこから細菌が入り感染症を引き起こす可能性があります。人工関節の手術の場合は一度感染症が起こると治りにくいことがあり、その治療が大変な場合があるので、どの医療機関も感染症対策は特に注意して行っていると思います。
感染のリスクを減らすためだけでなく患者さんの体の負担を軽減する面からも、手術は一般的には早く終わるほうが良いと言われています。しかし、時間を気にするあまり手術がおろそかになると、患者さんの術後成績に影響を与えます。手術をむやみに急がず、少し時間がかかっても良いので、正確に確実な手術を行うことが大切だと思います。

術後のリハビリテーション、および日常生活について教えてください

リハビリ室

術後できるだけ早くから動くことは、筋力低下の防止だけでなく、血栓症リスクの予防にもなるのでなるべく早くからリハビリを開始します。手術翌日から車いすに乗る練習などから始め、可能な限り早く歩く練習や膝の曲げ伸ばし訓練などを行います。2~3週間程度の入院期間中にしっかりリハビリを行いますが、退院後もリハビリを続けるようにしましょう。ご自身でのリハビリが難しいようであれば、通院でのリハビリなどを活用してリハビリを続けていくことも可能です。
日常生活では特に大きな制限はありません。一般的にジャンプなど衝撃のかかる運動は避けたほうが良いとされていますが、手術を受けた方の中にはゴルフなどのスポーツを行われている方もおられます。

現在、膝関節の痛みに悩んでいる方へ、先生から一言お願いします

変形性膝関節症の痛みは、その原因を根本的に治せるものではありませんが、ご自身の症状をご自分でよく知って、整形外科医に原因を診断してもらい、その対処方法を学べば長期間にわたって多くの方がそれほど困らず生活できる病気だと思います。また、治療を続けても痛みが改善しない場合は、手術という方法により痛みで困らないような日常生活を取り戻すことも期待できます。膝に痛みがあっても諦めずに治療にあたっていただきたいと思います。


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