メニュー

専門医インタビュー

膝の痛みで日常生活の質が落ちてきたら我慢せずに、早めに専門医に相談しましょう

この記事の専門医

小泉 泰彦 先生

沖縄県

プロフィールを見る

1993年 福岡大学医学部卒業
専門分野:膝関節外科、スポーツ外科
専門医:日本整形外科学会認定専門医
川畑 謙介 先生

沖縄県

プロフィールを見る

1980年 岡山大学医学部医学科卒業
専門分野:人工膝関節
専門医:日本整形外科学会専門医、日本手外科専門医、義肢補装具等判定資格医

関連するキーワードから探す

この記事の目次

手術を検討すべきタイミングはあるのでしょうか?

毛利 保存療法を続けても効果がなく、3か月以上痛みが続くようなら、手術を検討したほうが良いと思います。
また、膝の痛みのせいで、スポーツができなくなった、歩ける距離が短くなったなどと、できないことが増えてきて日常生活のクオリティーが低下した時も検討すべきタイミングだと思います。痛みが強い場合は我慢せず、医師に相談し、しっかりご自身の状態を評価していただいたほうが良いと思います。

新垣 ご自身の生活の質が低下したと思われたら、手術を検討されたほうが良いと思います。しかし、手術は無理に受けるものではないので、ご自身が納得された時に手術を受けたほうが良いと思います。若い方でも人工関節の手術を希望される場合があります。しかし、あまりにも若ければ、人工関節の耐用年数を考えた上で、手術を受けるまでの期間を延ばすように提案をすることがあります。

変形性膝関節症には、どのような手術方法がありますか?そのタイミングはあるのでしょうか?

新垣 変形性膝関節症の変形度合いによって術式が変わり、「膝周囲骨切り術」と「人工膝関節置換術」の二つがあります。正常な膝の場合、膝関節全体に荷重がかかります。しかし、O脚やX脚に変形していると、膝の内側もしくは外側に負担がかかっています。そのような下肢のバランスが悪くなっている方に対しては、すねの骨を切り、下肢のバランスを調整し痛みを軽減させる膝周囲骨切り術を行うことがあります。一方の人工膝関節置換術は、悪くなっている部分を取り除き、その部分に金属などでできた人工関節に置き換える方法です。変形が膝の内側に限定されている時は、その部分だけを換える部分置換術を行うことがあります。色々な手術方法がありますが、患者さんの年齢や社会性などを考え、その方に合った治療を選択するようにします。

毛利 「膝周囲骨切り術」は、痛みの軽減だけでなく、軟骨のすり減りや骨の変形ができるだけ進行しないように予防することも目的としています。そのため、まだ軟骨が残っている時期を逃さないためにできるだけ早めに検討いただいたほうが良いと思います。「人工膝関節置換術」は変形がかなり進んでも対応できるため、手術を受けるタイミングが遅すぎるということはありません。保存療法を続けても効果を感じなければ、できるだけ早めに専門医に相談し症状に合った治療を選択することが重要だと思います。

骨切り術

骨切り術

人工膝関節全置換術(左)と部分置換術(右)

人工膝関節全置換術(左)と部分置換術(右)

持病があっても手術を受けることはできますか?人工関節の手術は進歩して いますか?

毛利 手術を受けることが決まったら、他に隠れている疾患がないか全身状態をチェックします。心臓病や糖尿病があっても手術を受けることができないわけではありません。他科の医師と連携を取りながら、リスクのある疾患があれば先にその治療に取り組んでから安全に手術が行える環境を整えます。

新垣 最近の人工関節は、デザインや材質の改良によって、耐久年数がこれまでよりも延びています。また、痛み止めもさまざまな薬が開発されているため、術後の疼痛管理も進化しているのでそれほど気にならないと思います。感染症のリスクは、一般的に1%~2%といわれていますが、特に糖尿病の方は、感染症のリスクが高くなるので手術前に血糖値をコントロールして感染症を予防していきます。


この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop