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専門医インタビュー

肩があがらないのは、年のせい?四十肩・五十肩を正しく知り改善を目指しましょう

この記事の専門医

  • 梶田 幸宏 先生
  • 一宮西病院 整形外科部長/肩関節センター長
  • 0586-48-0077

愛知県

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日本整形外科学会専門医、国際緊急援助隊医療チーム登録医師、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、医学博士

この記事の目次

四十肩・五十肩の治療方法を教えてください

エコーを使って痛みの場所を特定しステロイド剤の注射を行う

痛みを抑える内服薬や関節内注射と同時に、リハビリによる治療を進めるのが基本です。関節内の炎症によって痛みが強い方には、エコーを使って痛みの場所を特定しステロイド剤の注射を行います。1回の注射で2~3週間ほど痛みが緩和されることが多く、それを2~3回続けます。内服薬や関節内注射で痛みをやわらげている間は、リハビリを行って縮まった関節包を広げていくことが大切です。
肩甲骨や胸を動かす、肩をすくめるといったリハビリを自宅で行ってください。こうした保存療法を2~3カ月ほど続けると大半の方は肩の痛みや動きが改善されますが、肩の可動域が十分に戻らない場合はさらに積極的な治療を検討したほうが良いかもしれません。

保存療法で改善されなかった場合、どのような治療を行うのでしょうか?

非観血的関節授動術

非観血的関節授動術

ひとつは「非観血的関節授動術(ひかんけつてきかんせつじゅどうじゅつ)」で、一般的に1泊2日または日帰りで行うことができます。これは首から肩につながる腕神経叢に神経ブロック注射を打って無痛状態にし、医師が患者さんの肩を動かして縮まった関節包を破いて可動域を広げていくものです。肩に一定の力を加えるので、骨折のリスクがある65歳以上の方と、関節包が固い傾向のある糖尿病の方には適用しないことが多いです。
他には「鏡視下授動術(きょうしかじゅどうじゅつ)」という方法があります。これは全身麻酔を行って電気メスで縮まった関節包を切離する方法です。肩の周りに5ミリほどの小さな穴を3~4カ所開けて内視鏡を挿入します。内視鏡で関節包の状態を確認しながら切ることができるので確実性があることと、大きく皮膚を切開する手術と比べ患者さんへの身体への負担が少ないことが特徴です。入院期間は一般的に4~5日ほどです。

非観血的関節授動術と鏡視下授動術の後、日常生活の制限はありますか?

どちらの治療法も、術後の生活に大きな制限はありません。手術後1日ほどは三角巾で肩を固定しますが、手術による痛みは1週間ほどで徐々に軽減することが多く、その後は自由に肩を動かせます。退院の翌日から、車の運転も可能です。安静にしすぎると肩の拘縮が元に戻ってしまうため、自宅でもリハビリを継続し、スポーツや仕事、家事などで積極的に肩を動かしてください。個人差はありますが、術後2~3カ月ほどで可動域への改善が見込めると思います。


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