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専門医インタビュー

早期発見・治療が大切な肘のスポーツ障害。低侵襲な関節鏡下手術で対応できるケースも増えています。

この記事の専門医

  • 西中 直也 先生
  • 昭和大学保健医療学部理学療法学科 教授
    昭和大学藤が丘病院 整形外科
    昭和大学スポーツ運動科学研究所
  • 045-971-1151

神奈川県

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専門分野:肩肘関節外科、肩肘関節鏡手術、肩のバイオメカニクス、投球肩肘障害
資格・所属学会:日本整形外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本整形外科学会スポーツ医、日本整形外科学会認定リバース型人工関節置換術施行資格医師、日本肩関節学会代議員、日本肘関節学会評議員、日本整形外科スポーツ医学会代議員

この記事の目次

手術後、リハビリやスポーツ復帰にはどのくらいの期間がかかりますか?

入院は2泊3日ないし3泊4日で、退院後は外来リハビリを受けるのが基本です。傷んだ組織を除去するのみの関節鏡下手術であれば、手術後3週間ほどでスポーツ復帰に向けたリハビリに入り、3カ月程度で本格復帰を望めます。関節鏡下手術であっても、不安定性があり靭帯の修復術を行った場合や肋骨肋軟骨移植術を行った場合は、手術後3週間はギプスで固定し、その後日常生活レベルでのリハビリを進め、手術後3カ月後ぐらいから本格的なリハビリに入ります。
神経損傷などの合併症が起きない限り、元々できていた動作に制限がかかることは考えにくいでしょう。ただし、元通りに動くようになったからといって、スポーツで再び同じ動きを繰り返せば、また同じように傷んでくるのは当然です。障害が出るのはフォームに何らかの問題があることがほとんどで、それをしっかり改善して再発を予防することが極めて重要です。医師だけでなく、理学療法士ともよく話し合い、指導を受けていく必要があります。

退院後の生活で気をつけることはありますか?

手術の種類にもよりますが、本当に安静が必要な時期はギプスで固定しますので、その後は特に大きな動作制限はなく、痛みが出ない範囲で自由に動かしてもらって構いません。リハビリ通院が終わった後も、手術後1~2年の間は3カ月に一度などのペースで経過を確認していきます。再発を防ぐためにも定期検診は大切です。
患者さんが子どもの場合、手術後痛みがなくなったからといって練習で過剰に肘を使ったり、多少の痛みが出てきても我慢してしまいがちです。正しいフォームや練習量などについて、家族をはじめ周囲の大人の共通理解が欠かせません。「レギュラーを取りたい」「次の試合で勝ちたい」など強い希望があっても、長い競技人生の中でのバランスを考えていくよう、よく話し合ってほしいと思います。

肘の痛みに悩む方へのメッセージをお願いします。

日常生活動作やスポーツで痛みが出る場合は、早めの受診をお勧めします。早期に治療を開始できれば、症状が重篤になる前に進行を防ぐことができ、その後の人生で長くスポーツを楽しむことにもつながってきます。また、もし手術が必要となった場合も、最近では低侵襲な関節鏡下手術で対応できる症例が増えています。
部活動に打ち込む学生さんなどであれば、「手術が必要なら、レギュラーになれない1年生のうちに」、あるいは「3年生だから、最後の大会に出るまでは手術は避けたい」など治療のタイミングで気になることもあるでしょう。そうした点も主治医とよく相談し、さまざまな事情を踏まえてご自身にとってベストな治療を選択してください。


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