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専門医インタビュー

寺田 聡史 先生|元気に歩むために。膝の痛みは放置せず、早めの受診を!

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愛知県

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1999年名古屋市立大学卒業。米国ピッツバーグ大学整形外科に留学。スポーツ整形外科を2年間研修。整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本人工関節学会、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)、医学博士。

この記事の目次

「人工膝関節置換術」に年齢制限はありますか?また、一度手術をしたら、人工膝関節を取替える必要はないのでしょうか。

基本的に患者さんが希望し、体の状態が手術に問題ないようであれば何歳でも可能です。80歳を過ぎてから手術を受ける患者さんも少なくありません。ただ、80歳を超えた患者さんの中には、膝の変形がかなり進行してしまっている方が多く、痛みに耐えてこられた時間の長さを思うと残念でなりません。ご本人だけでなくご家族まで、「歳だから手術は無理」とおっしゃる方がおられますが、日本人の平均寿命を考えたら、80歳でもまだ5年以上痛みをがまんし続けて不自由な毎日を過ごすことになります。介護が必要になればご本人だけでなくご家族も苦労されます。そのことを考えたら、自立した生活をまっとうするために手術を受けることに、決して遅すぎるということはないと思います。手術後は、飛び跳ねたり、激しい運動をするなど、極度に膝に負担をかけない限り、人工膝関節には20年程度の耐久性があります。手術を受けられる方の多くが60代後半や70代であることから、多くの患者さんにとって、手術は一生に一度と考えてもよいのではないでしょうか。

正面
側面
最大屈曲

現在、膝関節の痛みに悩んでいる方に、先生からメッセージをお願いします。

「人工膝関節置換術」を受けられた患者さんの中には、手術後、ゴルフやハイキング、旅行などの趣味を満喫されたり、現役で誇りをもって働き続けている方が多くおられます。そんな患者さんたちの喜びの声を聞くことが、主治医としても至上の喜びです。かつて「人工膝関節置換術」は、症状が悪化してしまってから、痛みを取り除くための最後の手段のように思われていました。しかし、今では趣味を続けるため、仕事を続けるためという、豊かな人生を元気に歩むために必要な、よりポジティブな選択肢としてとらえられるようになりました。健康寿命を延ばし、最期まで自立した生活を送ることは、すべての人に共通した望みです。“膝の痛み”は、その望みに黄信号がともったというシグナルといえるでしょう。赤信号になる前に早期に整形外科の専門医を受診し、ご自身のライフスタイルに合った適切な治療を選択してほしいと思います。


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