患者さんストーリー
股関節
山下 勤さん
東京都在住
47歳(手術を受けた年齢) 接客業
病名 大腿骨頭すべり症(左足)
治療法 人工股関節置換術
中華料理店のオーナーシェフである山下さん。料理講習会などに講師として招聘されることも多い、とても明るく気さくな“街の巨匠”です。ゴルフが趣味で、多忙な毎日の中でも、暇をみつけてはゴルフを楽しんでいらっしゃいます。
子供のころからスポーツが大好き。柔道や野球など、いろいろやっていました。でも、ある時、左の股関節に痛みを感じるようになりました。病院で診察してもらったところ、「大腿骨頭すべり症(だいたいこっとうすべりしょう) 」と診断されたんです。小学校から中学校に進学する際に手術を行ったのですが、半年以上の長期にわたって入院生活を送りました。
手術は、左の股関節を固定するというものでした。「大腿骨頭すべり症」は、現在では珍しい病気ではなくなりましたが、当時はまだ症例が少なかったようで、確立された治療方法もまだなかったようです。
結果、左の股関節の可動域(かどういき)がかなり狭くなり、激しい運動はできなくなりました。また、左右の脚長差も出て、歩行時に身体が少し傾いてしまうようになったんです。ですが、特に痛みはなくなり、普通に生活を送るには、それほどの苦労はなく過ごせるようにはなりました。
私が料理の世界に入ったのは、高校を卒業してから。10歳の時に父を亡くしており、母が働きに出ていたので、自然と自分で料理をするようになりましたね。中学3年からは知り合いの中華レストランでアルバイトをしていたこともあり、そのまま中華料理の道に進みました。
いくつかの店舗で修業を重ね、都内の有名中華料理店での14年間には料理長も務めさせていただきました。2002年末に独立し、この店を妻と2人でオープンさせたんです。
実は、独立する1年ほど前から左股関節に痛みを感じるようになっていました。例えば、座っていてふっと立ち上がった時、痛みが走ってもう動けない。次第にその頻度が増えるようになってきました。
自分の店を構えるにあたって、しばらく休みを取り、趣味のゴルフを楽しむために海外に出かけたりもしました。毎日ゴルフざんまいの旅行だったのですが、あまりにも左股関節が痛くてプレーできずにホテルで過ごさざるを得ないということが2度あったんです。楽しみにしていただけに、精神的にもこたえましたね。
ゴルフは、28歳くらいの時に当時勤めていた店の同僚に誘われたのがきっかけで始めて以来、ずっとハマっています(笑)。仕事が休みの日は、ほぼゴルフに出かけているほどなんです。ですから、このまま左股関節がひんぱんに痛むようになってゴルフができなくなってしまうのが、何よりも嫌だなと思うようになりました。
現在のお店をオープンさせてからも、ときどき左股関節の痛みに襲われました。オープン当初、無我夢中で働いている仕事中には痛みを意識することはほとんどないのですが、お客様が帰られた閉店後に急に痛みを感じることもしばしば。あまりにも痛くて、妻の肩を借りなければ自分で歩けないようなことも、何度となくありました。
休日にゴルフに出かける機会も減りました。一緒にラウンドしている人に迷惑をかけたくないという思いもあるし、もうゴルフもあきらめなきゃいけないかなと、落ち込みましたよ。
それで、一度病院で診てもらおうと思い、ゴルフ仲間に麻酔科医がいたので相談をして、自宅近くの病院を紹介してもらったんです。しかし、「もう少し我慢すれば痛みは治まるでしょう」という、先生の言葉。その時は「そういうものか」と納得し、もう少し我慢することにしたんです。
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