患者さんストーリー
ひざ関節
青木 民子さん
岐阜県在住
60歳(手術を受けた年齢) パート勤務
病名 変形性膝関節症(両足)
治療法 人工膝関節置換術
「情報収集が大事」と美紀さん
人工関節置換術を紹介するパンフレット
美紀さん いずれ母は寝たきりになってしまうのではと不安に思っていた矢先、地元で発行しているフリーペーパーで目にしたのが、整形外科の先生が書かれた記事でした。その記事のテーマが「ひざと腰の痛み」であったので、専門の先生に違いないと思ったんですね。近所の病院ではなかったのですが、高速道路を使えば1時間程度で通院できる距離なので、母を連れていきました。
民子さん 診断の結果、すすめられたのが人工関節置換手術だったのです。家の近所に同じような手術を経験された方がいらしたので、こういった治療法があることは前から知っていました。
人工関節の模型やレントゲン写真などを見せてもらいながら手術の説明を聞いて、「なるほど、これを入れれば歩けるようになる」と理解できたので、ぜひ手術を受けたいと思いました。ただ、両ひざを一度にやろうかどうかは悩みましたね。けれども、いずれもう片方の手術を受けるよりは、いっぺんに治すことを選びました。
美紀さん 私も最初は、両ひざを一度に手術することには抵抗がありました。そこで、症例実績がたくさんある病院の情報や手術のリスクについてインターネットなどで調べ、自分でも納得できたので母の判断に同意しました。
民子さん 相談にのってくれる家族がそばにいるのは心強かったですね。痛みが強いときは寝返りも打てない状態でしたから、主人も手術に賛成してくれました。また、手術前に筋肉をつけるために通っていたリハビリで、両ひざの手術を経験した患者さんから体験談を直接聞けたことも、手術を受ける後押しになりました。
「手術をよく理解することです」と民子さん
人工関節置換術患者向けガイドブック
民子さん 手術を受けたのは2010年秋でした。手術前の多少の不安は、手術内容を知ることで軽減されたように思います。自分がこれからどういった手術を受けるのか、詳しく説明したガイドブックをベッドの上でもよく読んでいました。
手術後はリカバリー室(手術後の集中治療室)に入りましたが、手術の翌日には一般病棟のベッドに戻れました。
美紀さん 手術後、先生から「手術はうまくいった」と伺って、ほっと安心しました。そして一般病棟に戻るや、回診に見えた先生が「ベッドの上で足をあげてみて。早速今日の午後から歩行練習のリハビリをするからね」とおっしゃったのには、ちょっとびっくりしましたね。もう歩く練習なのかと……。
民子さん 手術の翌々日の夕方には、四点杖を使って歩行訓練を始めましたからね。リハビリは大変だと聞いてはいましたが、たしかに最初のうちは大変でした。でも、ここを頑張らないと歩けるようになれないと自分に言い聞かせ、私なりに頑張ったつもりです(笑)。
1カ月の入院を経て退院後のリハビリは、最初のうちは週2回、手術2カ月目からは週1回になりました。手術4カ月目の現在、2週間に1回でもいいそうですが、やさしくてお話上手な先生なので、毎週行っています(笑)。手術後6カ月でリハビリは終わり、そのあとは1年に1回、定期検診を受けるように先生から言われています。
車いすを使っていたことは、もう今は忘れてしまうほど
民子さん 手術からちょうど3カ月目の2010年12月初旬、休んでいたパートの仕事を再開しました。私を見た同僚たちの第一声は、「前より背が高くなったように見える」。手術前はO脚になっていて、真っすぐ立てなかったからでしょう。久しぶりの仕事で、はたして立ち続けていられるのか心配でしたが、大丈夫でした。
「3カ月経ったら仕事ができるでしょう」と、先生に言われていた通りでした。杖をつかなくても歩けるようになり、車いすはまったく無用に。手術前は、仕事に出る際も靴のヒモを主人に結んでもらっていましたが、今はひとりでできます。外出の範囲も広がりましたね。
美紀さん 以前は、お出かけといっても、ちょっとだけ歩いてすぐ帰る、といった感じでしたから。また、買物のときは、お店の真ん前で母を降ろしてから、私は車を駐車場に入れに行っていました。今では私と一緒に駐車場から歩けますから、楽になりましたよ(笑)。
民子さん 日常生活のなかでは転ばないことが大切ですね。一度お風呂場で滑ったことがあり、ヒヤッとしました。幸い大事には至りませんでしたが、転倒したために手術後の回復が遅れた患者さんのお話も聞いていますので、気をつけています。
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