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患者さんストーリー

まっすぐになった脚でスッスッと歩けるのが何よりうれしいです。

この記事の患者さん

ひざ関節

吉岡 美貴子さん(仮名)

吉岡 美貴子さん(仮名)
富山県在住 
76歳(手術を受けた年齢)

病名 変形性膝関節症(両足)

治療法 人工膝関節置換術

この記事の目次

03 人工膝関節手術を
振り返ってみて

手術後はいかがでしたか?

吉岡さん 最初はやはり痛みましたが、医学の力はすごいなと思いました。手術前の痛みとは比べものにならないのはもちろんのこと、日一日と痛みが軽くなっていくんです。

昔は手術したあとしばらくの間、トイレといえばベッドで“おまる”が常識でした。それがいやで、できるだけ早く自分の脚で歩いてトイレに行こうという意思はありました。それでも手術の翌日、先生に「立ってみますか」と言われたときは内心、「え? もう?」と驚き、「立てるかしら?」と言いました。でも立てたし、歩行器で歩けました。「自分のことは自分でできる」って何よりうれしいものです。リハビリも、膝を曲げるのだけは痛かったですが、リハビリの先生がよくマッサージをして柔らかくしてくださってから行っていたので、つらくはなかったです。

とにかく手術後はうれしい気持ちが強かったですね。3日目にシャワーを使ったのですが、浴室の鏡を見て「あ、脚がまっすぐになってる!」と驚きました。脚もいままでで一番細かったし(笑)

それに入院生活はすごく楽しかったです。先生や看護師さん、リハビリの先生、みなさんが連携して治療にあたってくださったので安心でしたし、同じ病室の方々とおしゃべりするのも楽しくて…(笑)  たまに痛いときには、なでると痛みがおさまります。でも以前の痛みとは比べものになりません。3週間ほどの入院中、ずっと冷やしていたのがよかったのでしょうか。

先生 外科的手術というのはある意味怪我をさせることといっしょですから、冷やすのが気持ちいいのはそれが理にかなっているからです。その後温めるほうが気持ちよくなる場合が多いです。

家に戻ってからのご様子はいかがですか?

吉岡さん 家の中は手すりをつけているので、不自由はなかったです。日常生活自体がリハビリになっていますね。ただ掃除機をかけるときにホースが膝に当たらないように、また転ばないようには気をつけています。

先生 手術後1年くらいかけてずっとよくなり続けていくものですから、もうちょっと落ち着くと不都合なことは減っていくと思いますよ。

お出かけはされていますか?
吉岡 美貴子さん(仮名) イメージ写真です

吉岡さん はい、どんどん(笑)用事がなくても家の回りを15分くらい散歩してできるだけ歩くようにしています。最初の頃は、バスに乗ったりするときに転んだら怖いので杖を使いましたが、それもすぐに必要なくなりました。

ご近所のみなさんは、わたしのO脚がひどかったのを知っていますから、まっすぐになったのを見て驚いているようですよ。わざわざ家まで訪ねて来られた方もいました。その方は手術を検討されているようで、手術の様子などいろいろお伝えしました。

最近のいちばんの楽しみは、お友達とランチに行くこと。お友達が「ちょっと歩かなきゃダメよ」なんて誘ってくれるんです。また手術前は、妹や姪っ子に買い物の送り迎えをしてもらっていましたが、手術後、「今まで送り迎えありがとう。これからは、自分ひとりでできるよ」と言えるようになったこともうれしいですね。

以前は股を広げて歩いているようで、外に出るのもいやでしたが、いまはスッスッと歩けるのでバスに乗って気軽に出かけて人に会う気にもなります。明るく前向きになったと思いますよ。いま「おひとりさま」が流行っているでしょ? わたしもひとりでもどんどん出かけようと思いますよ。介護の兼ね合いもありますが、これから旅行にも行ってみたいですね。膝が痛いときは行けなかったですから。来年くらい、北陸新幹線でどこかに行こうかしら(笑)

先生 手術を受けた患者さんはよく、「こんなことならもっと早くに受ければよかった」と言われますが、そもそも手術はいやなもの。避けたいけれども、困ることが増えて、しょうがなく受けるものです。だから早く受ければいいというものでもない。ちょっとしか困ってない人が手術を受けても満足度が高いとは限りません。反対に、よほど困っている人は、満足度が高くなります。吉岡さんの場合はまさに後者ですね。

吉岡さん 本当に「おかげさま」です(笑)

大変に感じることはありますか?

吉岡さん 主人のオムツ替えなどはやはり大変ですね。重いものを持ってはいけないと思うと、あまり無理できないですね。でも先生、洗濯物を持ったりするのはいいんですよね。それから、膝をついてはいけないんでしょ?

先生 以前に説明したけど、もう忘れているかな(笑)?何キロだったら持ってもよくて何キロはダメと僕は言っていないし、膝をつくことも僕は禁止していません。ただ、車と同じで、たまに荒い運転をするくらいならいいけれども、毎日荒い運転をすると早くダメになってしまう。人工関節もそれと同じ。たまに重いものを持つのはいいけれど、いつもだと負担がかかってしまう、ということです。ただ転ばないように気をつけてくださいね。

吉岡さん はい、わかりました(笑)

手術を検討されている方にメッセージをお願いします

吉岡さん さきほどのお話のように、「早く手術すればいい」とは一概には言えませんが、痛みや違和感を覚えたら我慢しないでお医者さんに診てもらうのが一番いいというのが実感です。

先生 医師の説明よりも患者さんの口コミのほうが影響力は絶大で信頼されるものですが、膝のすり減り加減が違うのに、「わたしはあそこの病院でよくなった」という情報だけで判断せず、やはり、専門医を受診し、しっかりと病状を診断してもらって適切な治療を受けていただきたいと思います。

01 膝の痛み・症状

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