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専門医インタビュー

経験豊富な習熟した医師の手で手術を!まだ歩けるうちに治療する

この記事の専門医

東京

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東京大学医学部医学科卒。同大附属病院研修医から、都立墨東病院、都立駒込病院、静岡県立こども病院整形外科医長、 帝京大学医学部整形外科教授などを経て、2020年現職に。日本整形外科学会 代議員、日本整形外科学会認定 整形外科専門医、 日本股関節学会 評議員、日本人工関節学会 評議員、日本人工関節学会認定医

この記事の目次

手術を受けるタイミングは?

人工股関節置換術後のレントゲン

変形性股関節症の最終的な治療法が人工股関節置換術です。以前は、常に痛くて日常生活に支障をきたし、毎日薬を飲むようなら手術をしましょうと勧めていましたが、今は、患者さんの希望が最優先です。続けて30分歩けないなら人工股関節に…などという決まりはないのです。ふつうの生活では痛くないけれど、どうしてもゴルフをしたい。ワンラウンド歩けるようになりたい…と希望する患者さんには、人工股関節置換術を行います。 昔なら「そんなに痛いならゴルフを止めたらいい」なんて思っていたかもしれませんが、今はそんな時代ではないでしょう。しかし、車いすを使うようになってから手術をしようというのはお勧めできません。股関節が硬くなってから、筋力が弱ってから手術をするよりは、歩けるうちに人工股関節にしたほうが、回復の程度、歩ける距離、患者さん自身の満足度などに大きな差が出ることが分かっています。今の人工股関節は、性能も寿命もずいぶんよくなり、20年以上はもつと言われています。ただ、人工股関節を入れ替える(再置換)必要がある時は、症状で決めないほうがいいのです。いよいよ悪くなってからの再置換術は、大掛かりで大変な手術になります。自覚症状はないけれど、レントゲンで小さな変化を認めたら、できるだけ早い段階で再置換術を受けるように勧めています。人工股関節の一部分を取り換えるなど小さな手術ですみ、大事に至ることを防ぐことができるのです。

人工股関節置換術の方法を教えてください

後側方アプローチ

私は、患者さんに横向きに寝てもらい、横のやや後ろから切って入っていく方法(後側方アプローチ)で、1,000例以上の経験を積んできました。アメリカでも股関節の専門医が広く行っている方法です。それよりも少し前側を切って入る方法、前方から入る方法と、人工股関節置換術には大きく分けると3つのアプローチ方法がありますが、それぞれメリットがあり議論があるところです。しかし、どれもその手術方法なりのコツがありますから、一つの方法に慣れてたくさん経験のある医師に手術をしてもらうといいと思います。 大事なのはどこから侵入したというのではなく、人工股関節を正しい位置に、正確に入れるということです。患者さんごとに正しい位置が違うのですから。人工股関節が長持ちをして動きが良く、脱臼しにくい、この3つがそろった手術が理想です。

手術前計画

術前計画は3D データを駆使します。

手術が決まった患者さんのCT検査データを3Dコンピューターに取り込んで、立体的な設計図を作り、じっくりと手術前計画を立てます。その人にとって、人工股関節の患者さんにあった大きさと位置はどこか、入れる方向はどうかなどを確認します。後方アプローチで行うと脱臼しやすいと言われていましたが、入れた位置が適正ではなかったからではないかと思います。術前計画を正確に立てて、正しい位置に入れれば脱臼の心配はありません。

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