専門医インタビュー
大阪府
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特にありません。関節の変形があり、その方のニーズがあれば、手術をおこないます。中には、ひどい変形があっても痛みがなくて歩ける方もいらっしゃいます。そういう方には治療は余り必要ありませんし、逆に変形は比較的少ないけれど、痛くて歩けない、痛みを取り除いて仕事をしたい、趣味の旅行やスポーツをしたいという方には、手術を行います。要は、その方がどういう生活、人生を望んでおられるかによって、手術するかどうかは決まります。中には、いくら痛くても金属を体内に入れるのはお断りという方もいらっしゃいます。
両膝同時手術後のレントゲン写真
両膝同時手術後の膝
一般的な人工膝関節置換術では、膝の正面から切開し、お皿についている筋肉(大腿四頭筋)を切り、お皿をよけて、膝関節まで進みます。次に軟骨が磨り減って変形した骨の先端を、大腿骨、脛骨ともに1センチくらい削ります。ちょうど虫歯の治療で悪いところを削り、歯の形に成形した金属をかぶせるのと同じです。削った骨に人工膝関節をかぶせ、ポリエチレンでできたクッション材を間に入れて終了です。
しかしこの方法では、筋肉をかなり切開することになります。当院も行っている、もっと体に負担の少ない手術方法として、正常な組織をできるだけ傷つけずに手術する「MIS」(最小侵襲手術)という手術方法では、膝の少し内側を10センチくらい切開し、筋肉を傷つけずに、お皿をよけます。筋肉をできる限り傷つけないことで、痛みを軽減し、早期リハビリ・社会復帰を可能にします。
なお、患者さんの多数が、片方だけでなくて両膝に悩みを持たれています。そこで当院では、わざわざ2回入院してもらうのは患者さんのご負担が大きいということで、両足とも手術が必要な方には両膝同時手術を行っています。手術時間は、肩足の場合は平均1時間10分程度、両足同時だと1時間40分くらいです。また関節の一部だけが痛んでおり、その他の部分は比較的正常である患者さんが多くいます。それなら、きれいなご自身の骨は残して使い、傷んでいる側だけ削って人工関節に置き換える部分置換術という手術も行います。関節の悪い部分だけを人工関節に入れ換えるので、通常の手術よりも体にかかる負担が少なく、膝の曲がりも全置換術より10度から15度くらい大きく、中には正座ができる方もいらっしゃいます。手術時間は40分くらいで、筋肉も傷つけません。例えるならば、全置換術は既製品、部分置換術はオーダーメイドという感じでしょうか。
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