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専門医インタビュー

肩が痛い、上がらない! 肩の痛みの原因は様々 早目の診断と症状に合わせた治療リバース型人工肩関節の登場

相澤 利武 先生
  • 相澤 利武 先生
  • いわき市医療センター 院長 東北大学客員教授
  • 0246-26-3151

福島県

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1983年 東北大学医学部卒業後、東北大学医学部整形外科学教室入局。
同年 山形市立病院済生館 研修医、1987年 東北大学医学部付属病院 整形外科、1992年 仙北組合総合病院 整形外科 科長、1994年 いわき市立総合磐城共立病院 整形外科 科長、2004年 整形外科 部長、2016年より現職。
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツドクター認定医

この記事の目次

肩が痛い、腕が上がらない―、四十肩・五十肩は誰もが通る道だと軽く考えていませんか。肩の痛みの原因は色々、症状に合わせた治療法があります。「正しい方法を選択して、悔いのない生活を送って」と話すいわき市医療センター 院長 相澤 利武先生に伺います。

加齢によって起こる四十肩・五十肩

肩関節のしくみ

肩関節のしくみ

肩は、骨、筋肉、腱(腱板)、関節包(関節を包んでる膜)が複雑に組み合わさって成り立っています。ところが中高年になるにつれ、それらが少しずつ弱くなり、加えて、肩をあまり動かさない生活をしていると関節包の柔軟性がなくなって、腱の血行も悪く傷つきやすくなります。
肩の辛い症状があるのに、色々検査をしたけれど特に異常はみられない、いわゆる四十肩・五十肩といわれる肩関節周囲炎が多くみられます。
例えば、駐車券を取ろうと車の窓から身を乗り出した時、肩のあたりをちょっとひねってしまい、その後徐々に痛みが強くなった…など、何かきっかけがあって肩の痛みが生じるというのが最初の症状です。
3カ月から6カ月ほどたつと腕が上がらなくなり、その後痛みは楽になるものの腕の動きが悪いという状態になります。最終的にはほんの少し動きの悪さが残るけれど、日常的に支障はなくなるので本人は治ったと思う、というのが自然経過です。

こわい腱板断裂

腱板断裂

腱板断裂

70歳くらいを過ぎると、3~4割の方の腱板が切れてしまっていますが、本人は気付いていません。部分的に腱板が切れても、筋肉が代償しているから動きに変化は見られないのです。でもある時、何かがきっかけになって炎症を起こすとバランスが崩れて急に痛くなります。
腱板断裂が起こる原因は、血液循環が悪くなって腱に血液が流れにくくなり、弱くなってしまうこと。もう一つは、スポーツや家事、農作業などで繰り返し同じような動作を行うことで、骨棘こつきょく という骨の「棘:とげ」ができることもあります。動かす度に、とげに腱がぶつかって傷ついてしまいます。ほかにも、転倒やケガなどで大きな力が加わって腱が切れる場合もあります。

肩痛の原因は色々。画像を使って正しい診断を

レントゲン(左)とMRI画像(右)

レントゲン(左)とMRI画像(右)

急に肩の関節が痛くなって、夜も眠れない、レントゲンで見ると真っ白にうつる―。これは、肩関節に石灰がたまった疾患。ほかにも関節リウマチやスポーツのし過ぎで起こるスポーツ障害、肩周囲の骨折などもあるし、転移性の骨腫瘍など、恐ろしい疾患が隠れていることがあるかもしれません。
仕事や日常生活に支障なければ問題はないのですが、痛くて夜眠れない、痛みのために仕事ができない、腕が上がらなくて困るというなら、我慢して時間が過ぎるのを待っていてはいけません。状態が良くなるにはどうしたらいいか、早く適切な対応をとることが大切です。
専門の医師ならば、患者さんの肩を触って、話を聞いて、それだけでその肩の痛みの原因が8割程度分かり、残りの2割を画像で判断します。
肩関節の大部分は、筋肉や腱などレントゲンでは診断しにくい組織ですので、MRIやCTで撮影し正確な診断を行います。
レントゲンでは異常がないから、何も問題がないというわけではありません。


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