専門医インタビュー
神奈川県
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前方アプローチ
内山 人工股関節置換術は、出来るだけ筋肉や組織を切らないMISという方法で行っています。さらに、股関節の中心を正しく決めて、足の長さを左右そろえ、関節の形をしっかり作ることに注意して手術をしています。
通常は、10日~3週間ほどしたら退院できます。自宅で自信をもって生活できるようになってから退院ですが、高齢で、手術前の股関節の状態が悪かったり、筋力がほとんどなくてリハビリが思うように進んでいない場合は、回復期リハビリ病棟に移って、さらにリハビリを続ける場合もあります。
福島 片方しか手術をしない場合でも、両脚を消毒し、術中に両脚の長さや膝の高さは同じかといった脚長差にこだわった手術を行うようにしています。
また両方の股関節の具合が悪い場合は、両側同時の手術も行います。1回の手術で終わるので、患者さんの負担が少なくてすみますから。
筋肉をできるだけ温存するMISと前側方アプローチ、脚長差にこだわり正確な位置に人工股関節を設置しようとしていますので、術後気になる脱臼の心配はほとんどありません。
人工股関節置換術後
のレントゲン
人工股関節の一例
福島 手術後の疼痛管理にも力をいれています。飲み薬や局所麻酔薬などを組み合わせて、その人に合った痛みの軽減を工夫しています。手術後に痛みが強いとリハビリがしづらいし、逆に痛みがなければ前向きに積極的にリハビリに取り組め、早期に社会復帰できるのです。当院では、病棟の中にリハビリ室があり、専門のスタッフが指導してくれますから、術後のリハビリも取組みやすいと思います。
再置換術前(左)術後(右)のレントゲン
内山 以前に比べるとめっきり減ったと思いますが、人工股関節置換術のあと、ごくまれに感染症を起こし、人工股関節を入れ替えなくていけないケースがあります。また、骨粗しょう症が進行し骨が弱くなり、人工股関節の周りで骨折を起こしてしまうと、再置換の手術が必要な場合があります。
もし全部を入れ替える必要がある場合は、通常よりも入院期間が長くなる場合があります。
しかし、寛骨臼に設置したカップと呼ばれるもののみ交換する場合や、脚側のステムのみを交換する場合、軟骨の代わりとなるポリエチレンだけを交換する場合もあります。このようにパーツだけ変えるのはそれほど大変ではないので、できるだけ早く異常に気付くことが大事です。
仮に骨が欠損している場合でも、当院には骨バンクがあり、人工骨でなく同種骨を使うことができます。同種骨は、人工骨に比べると、骨同士馴染みやすく、融合が早く進みます。
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