専門医インタビュー
京都府
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人工膝関節全置換術後の
レントゲン
手術後の痛みについては、手術中の関節内への麻酔薬投与や硬膜外麻酔の併用、鎮痛薬の服用などの方法でコントロールします。それに伴って、股関節、膝関節ともに、ほとんどの場合、手術翌日から体重をかけたリハビリを開始しています。
患者さんの中には独居の方や自動車に乗る方も多いです。そのため、リハビリ期間はやや長く時間を掛けて行います。杖を使っての歩行が安定してできる、手すりを使いながらでも階段昇降ができるといった、生活に支障が少なくなるくらいまで取り組んでもらいます。
動作の制限はほぼなく、自由にしていただいています。ただし、人工関節に過度な負担がかからないよう、できる限りイスやベッドを使う洋式の生活に変えてください。また、経験のない激しいスポーツをいきなり始めるようなことも控えましょう。その他に、感染症にも注意が必要です。例えば、むし歯、水虫の菌は血流に乗って人工関節に付着すると不具合を起こすことがあるので、放置するのは厳禁です。さらに、何十年も人工関節で歩いていると、中には、軟骨代わりのポリエチレン製部品が摩耗や破損することがあります。症状が出る前に早期発見すれば、簡単な手術ですむことが多いので、少なくとも2年に1回は定期的な検診を受けていただくことが大切です。
人工関節による治療は非常に進歩しています。人工関節の手術をするかどうかは、年齢で決めるのではなく、ご自身の人生や生活において、何を一番大切にするかで決めることが大切です。患者さんの価値観が何よりも重要で、医師はそれに合わせて治療内容や手術時期を提案します。痛みのない上質の生活を目指して、ぜひ専門医に相談してみてください。
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