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専門医インタビュー

膝の痛み 我慢にがまんを重ねず早めの受診で新しい生活を

この記事の専門医

高澤 誠 先生
  • 高澤 誠 先生
  • 柏厚生総合病院 人工関節センター代表 整形外科部長
  • 04-7145-1111

千葉県

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千葉大学大学院医学研究院修了後、フランスに留学。平成30年より現職
資格:医学博士、日本整形外科学会専門医
専門分野:股関節外科
宮内 志昂 先生

千葉県

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日本整形外科学会専門医、自家培養軟骨実施医資格、難病指定医

この記事の目次

人工膝関節置換術は何歳から受けられますか?

軟骨代わりのポリエチレンの一例

軟骨代わりのポリエチレンの一例

高澤 これまで人工関節置換術は治療の最終手段、70代以降の高齢の方が受ける治療というイメージが主流でした。しかし最近では、60代~70代前半の仕事を持たれている変形性膝関節症の人に人工膝関節置換術を行うことが増えています。特に、働き盛りの世代にとって膝の痛みは切実な問題です。痛みの改善に優れている人工膝関節置換術は、前向きな治療の選択肢だと思います。とは言っても、50代で人工関節にすると、将来、入れ換えが必要になる場合があることも事実です。しかし、定期検診の受診によって軟骨代わりのポリエチレンの摩耗が早期発見できれば、金属部分が破損する前にその部分だけ交換すればすむこともあります。様々な不安を払拭するには、強い信頼関係が結べる医師を選ぶことも大切だと思います。
いずれにしても、患者さんごとに適切なタイミングがあると思います。膝の痛みで歩けなくなると生活の質が著しく落ちるので、あまり手術を先延ばしにし過ぎるのは良くありません。

術前計画と術後の痛みを軽減する方法を教えてください

高澤 近年、人工膝関節の品質が向上し、20年以上持つといわれています。それに加えて、手術をする際に3D(立体画像)による術前計画や、その術前計画を実際の手術で実現するためのサポートツールであるナビゲーションを使うことによって、患者さんごとに合ったサイズの人工関節を、短時間のうちに適切な角度・位置で設置することができます。手術が短時間ですめば、それだけ術中の感染症のリスクが下がることに加えて、術前計画どおり正確に設置できるので人工関節の耐久性も上がり、術後、膝の機能面で患者さんの満足度も上がります。
手術では、皮膚や骨を切るために、術後、炎症による腫れで痛みを感じることがあり、それによってスムーズなリハビリが妨げられることがあります。そこで、手術中、手術後の出血をできる限り抑え、またブロック注射やカクテル注射といった痛み止め薬や炎症による腫れを抑える薬剤を効果的に使うことで、術後の痛みの軽減ができリハビリがスムーズに行えるようになっています。

3D(立体画像)による術前計画と人工膝関節全置換術後のレントゲン
3D(立体画像)による術前計画と人工膝関節全置換術後のレントゲン

膝痛を抱えている人へメッセージをお願いいたします

高澤 誠 先生

高澤 人工関節の手術は、歯科でのむし歯の治療によく似ています。大きなむし歯の治療は、悪いところを削り、元の歯と同じ型の冠をかぶせます。人工関節もそれと同じで、元の骨と人工関節がピタリとはまるほど、術後の違和感も少ない手術なのです。それに人工関節の耐用年数があがり、幅広い年代の方が選択できる有効な治療法です。今の痛みを取り、当たり前のことを当たり前にできるようにするために専門医に相談し、ご自身のために前向きな治療を選択していただきたいと思います。


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