専門医インタビュー
手術の翌日から、すぐに歩行訓練を開始します。膝の曲げ伸ばしについても、できる範囲ですぐに始めてもらっています。手術自体の痛みのコントロールについては、手術の最後に膝関節内に痛み止めの注射を打つという方法を取っており、それによってほとんどの人が痛みを感じることなくリハビリを始められています。
入院期間については、片足の単顆置換術の場合で平均10日前後、両足同時の単顆置換術の場合で2週間くらい。全置換術は、片足の場合で2週間くらい、両足同時の場合は3週間くらいの入院期間になります。退院の目安は、階段の昇降が一人でできるようになるのを一つの目安にしています。階段を一段降りるごとに両足を揃えて、次の一段を降りるのではなく、一段一段、両足を交互に降り出して登り降りできれば、退院してもさほど問題なく生活できると思います。
基本的に制限は設けていません。もちろん、コンタクトスポーツのようにぶつかり合ったり、強い衝撃を受けたりする動作、例えばマラソンなどは人工関節の破損につながりますから避けてもらいます。人工関節を長持ちさせるという意味で、できれば正座もしないほうがいいと思います。
それ以外は、できることは全部やってくださいと患者さんには言っています。患者さんの中にはスキーやテニスのダブルスをされている人もいますよ。
膝の痛みが続いているようなら、一度、膝専門の整形外科医を受診することをお勧めします。専門家にみてもらうと、専門的なアドバイスが受けられ、治療についても選択肢が広がっていくと思います。あとは、もしも、受診後に痛みが収まったとしても、定期的にレントゲン検査を受けて、自分の膝の状態を把握しておくことが大切だと思います。
また、人工膝関節置換術について、医師から無理に勧められることはまずありません。勧められたとしても、自分にとって本当に必要な手術なのかどうか、主治医の先生に質問をして、患者さんの側から情報を取っていくという姿勢も必要だと思います。人工膝関節の手術も、状態によっては片側だけの単顆置換術で済む場合もあるわけです。
手術を検討する場合は、できれば、人工膝関節の単顆置換術、全置換術、骨切り術とすべて行っている医療機関を受診してよく話を聞き、ご自分に合っていると思える治療法を選択することをお勧めします。
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