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専門医インタビュー

ひざの痛みを我慢していませんか?症状を正しく把握することで治療の選択肢が広がります

この記事の専門医

格谷 義徳 先生

大阪府

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整形外科 医学博士
昭和58年 大阪市立大学医学部卒。元大阪市立大学医学部整形外科 助教授、元大阪労災病院 整形外科部長、日本整形外科学会専門医、日本人工関節学会評議員、日本関節病学会評議員、中部日本整形外科災害外科学会評議員、人工膝関節フォーラム幹事

この記事の目次

術後のリハビリの流れとその重要性について教えてください

歩行練習

患者さんの術後状態が良ければ手術翌日から歩行練習を始めます。術後早期にリハビリを開始することは、筋力低下や血栓症(けっせんしょう)の防止、廃用症候群(はいようしょうこうぐん=安静状態が長期に渡って続くことでさまざまな心身の機能低下などが生じる状態)の予防にもなります。
早期リハビリの実践には、術後の痛みのコントロールが欠かせません。現在では術中に行う神経ブロック注射や、局所麻酔剤や消炎鎮痛剤、ステロイド剤などを混ぜたカクテル注射を関節周囲に打つことで、術後の疼痛は以前と比べて減少し、スムーズにリハビリが行えるようになっています。

術後の日常生活の中で気を付けることはありますか?

体重の増加

転倒にさえ注意してもらえれば、基本的には好きなことをしてもらって問題ありません。ただし、膝に強い負担のかかるジョギングやコンタクトスポーツなどは避けるようにしてください。
術後に特に気を付けなければいけないのは体重の増加です。糖尿病の要因にもなり、感染症のリスクが高まりますし、人工膝関節の耐用年数にも影響を及ぼします。適切な体重コントロールを心がけましょう。また感染症対策として虫歯や膀胱炎にも注意が必要です。衛生状態に気をつけ、早め早めの治療を心がけてください。
人工膝関節の耐用年数はデザインや材質の向上、手術手技の進歩により以前と比べて長くなっていますが、末永く付き合っていくためには、緩みや摩耗、引っかかりなどが出ていないかを定期的にチェックしてもらうことが不可欠です。1年に1度は必ず定期検診を受け、問題がないか確認するようにしましょう。

膝の痛みに悩んでいる人へアドバイスをお願いします

格谷 義徳 先生

膝に違和感や痛みがあれば、一度は膝の専門医を受診することをお勧めします。早めに整形外科で診断を受けることで、ご自身の膝がどのような状態なのか正確に把握することができ、今後どのような治療をする必要があるのか、どのような治療の選択肢があるのかを知ることができます。
保存療法で痛みが和らぐケースも多いですが、症状が改善しない場合は次の手段として手術の検討が必要な場合もあります。そのような場合でも納得して治療を進められるように信頼できる医師とよく相談し、適切な治療のタイミングを逃さないようにしていただきたいですね。


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