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専門医インタビュー

股関節の痛みには正しい診断が必要です 専門医と相談しご自身に合った治療の選択を

この記事の専門医

村澤 茂 先生

東京都

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専門領域:人工関節、下肢外傷
資格:日本整形外科学会専門医
所属学会:日本人工関節学会 日本股関節学会など

この記事の目次

手術にともなう痛みについて

人工股関節の一例

人工股関節の一例

術後はすごく痛いのでは? と身構える方もいますが、耐えられないほどの痛みを感じる方は少ないです。
痛み止めを組み合わせて使用することでより効果的に痛みを抑えることができます。最近は筋肉を温存するアプローチが広まってきており、そのため従来よりも痛みは比較的少なく、術後の回復も早まっています。現在、術後2週間程度で多くの方が退院しています。
なお、退院後も一定期間は痛み止めの服用を続けて、術後の炎症、痛みをしっかりと抑えていきます。最初は腫れや違和感を感じると思いますが、術後半年から一年経過すると人工関節が入っているのを忘れてしまう方が多くなります。

退院後の生活での注意点

前方系の筋肉を温存するアプローチでの手術後は、正座やしゃがみこむ動作を含めて日常生活での動作に制限はありません。趣味のスポーツや旅行など、積極的に活動してほしいと思います。ただし、転倒にはくれぐれも気をつけてください。インプラントは非常に硬いため、人工関節の周囲で骨折してしまう可能性があります。
骨折を防ぐためには、骨粗しょう症の予防・治療が欠かせません。加齢に伴って骨粗しょう症リスクは上がってくるので、骨密度を定期的に測って、数値が基準値より下がっているようなら内服薬や注射剤を使用します。
食事ではカルシウムやビタミンDをしっかり摂り、適度な運動や日光浴を心がけてください。

股関節の痛みに悩む人へのメッセージ

村澤 茂 先生

股関節の痛みは、「何が原因なのか」という正解にたどり着くまでに時間を要することが少なくありません。本当に股関節が悪いのか、腰や他の部位の疾患がないかなど、時間をかけて一つ一つ診察し、正しく診断をつけていくことが重要です。現在は、インターネットを検索すればいろいろな情報を得られる時代ですが、同時にそれは、正しい情報の見極めが難しい時代ともいえます。やはり医療機関を受診して、医師に直接診てもらい話を聞くことが重要だと思います。
また、人工股関節の手術は近年大きく進歩しています。筋肉を温存するアプローチの広まりをはじめ、手術時間の短縮や出血量の減少など、より体への負担が少なく受けられる手術となってきました。長年痛みに悩んでいた方に、術後「もっと早く手術を受ければよかった」と言われることが多いのが実際です。是非専門医に相談してみてください。


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