専門医インタビュー
埼玉県
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リハビリは手術翌日から、筋力トレーニングと関節の動きを広げる訓練、歩行練習を中心に行います。比較的若い人で筋力がしっかりしている患者さんであれば、歩行器を使って積極的に歩くようにしてもらいます。一方、年配の患者さんでは翌日にはまだ立つのが難しい人もいて、術前の状態がそれぞれ違うため、一人ひとりに合わせてリハビリを進めていきます。術後の痛みは術後麻酔の進歩によって以前に比べると、とても楽になっています。手術翌朝、起きて脚を動かし始めたときは、どなたも痛みを感じます。ただ、それは動かしてはいけない痛みではなく、むしろまめに動かしている方が早く解消されます。安静にしていると筋肉が固くなってしまい、凝り固まった状態から動かすと痛みが強く出てしまいます。そのため、痛みに対し不安感を覚えてますます動かさなくなってしまいます。人工股関節を長持ちさせるためにも筋力を高めるリハビリはとても重要です。「多少痛みがあっても動かしていくことで痛みが改善される」と考えて取り組むようにしましょう。
前方アプローチでの手術の場合、日常生活での制限は特にありません。筋肉は、荷重関節ではクッションの働きをしています。先ほどもお伝えしたように筋力をつけることは人工股関節を長持ちさせるためは、とても重要なので、日課として定期的な運動を心がけるようにしましょう。ただし、バレエや新体操のような特殊な柔軟性が求められる運動や激しいコンタクトスポーツの場合は注意が必要です。事前に主治医の先生に相談することをお勧めします。また、健康な股関節を維持していくためにも、術後は定期的に検診を受け人工股関節に問題がないかチェックしてもらうようにしましょう。
股関節の痛みに悩みながらも「手術は怖いから」と受診自体を避けている人も少なくないのではないでしょうか。受診をしていきなり手術を勧められることはなく、ご自身の今の状態を正しく診察した上で、それに合わせまずは保存的治療を検討していきます。股関節周囲のストレッチと筋力トレーニングに取り組むことで痛みの緩和が期待できます。
早期に治療を始めることで進行を遅らせ、手術を避けられる可能性も高まります。痛みに悩んでいるのであれば、まずは勇気を持って一度整形外科へご相談されることをお勧めします。まずはご自身の股関節の状態を知ることから始めましょう。
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