専門医インタビュー
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人工股関節置換術
古屋 人工膝関節置換術では、基本的には手術翌日から手術したほうの足にも体重をかけて歩くことが可能です。膝の痛みによって日常生活に大きな支障が出ている方や夜も眠れないほどの痛みがある方にとっては術後の比較的早期に痛みが軽減されたり、歩くことができたりする点がメリットではないかと思います。
田邊 大きな特徴は痛みが軽減されることだと思います。膝に比べて股関節の患者さんは少し年齢層が若い方が多く、人工股関節の場合は翌日から全荷重を股関節にかけることができ、入院期間も2週間程度で済むため、早期の社会復帰が期待できます。それに対して骨切り術は、自分の関節が残せる点は素晴らしいですが、その半面、足をつけることができるのは術後3~4週目くらい、トータルの入院期間は1カ月半くらいと長くなってしまいます。
佐藤 人工関節の手術は、他の手術同様に手術にともなう感染や血栓症といった合併症があります。手術はクリーンルームと呼ばれる特別な手術室で行い、手術室へはできるだけ少ない人数しか入らないようにして外部から余計な細菌を侵入させないようにします。また口の中にある細菌が感染の原因になることもあるので、虫歯など歯の病気があれば必ず事前に治療することも大切です。脚の静脈にできた血栓が肺の血管を詰まらせると呼吸困難などで死亡に至ることがあります。その原因となる下肢にできる血栓症を予防するために、手術を受ける方全員に下肢静脈のエコー(超音波)検査を行い、血栓が見つかれば早期に治療します。また、手術後じっとしていることが血栓症のリスクを高めますので手術後は早期にリハビリを開始し血栓症予防を行います。
小林 人工股関節の手術を後ろ側から行う場合は、脱臼することがまれにあるため、ご自身の筋肉が安定する術後2~3カ月間は、女性座りや、下のほうにあるものを取るためにかがむといった体勢は、避けるようご注意ください。
古屋 膝は股関節のような脱臼の心配はないのですが、正座やジャンプなど衝撃を受ける運動により人工関節が破損する可能性がありますのでご注意ください。ただしゴルフなど衝撃の少ないスポーツをすることは推奨されてい ます。
佐藤 年齢にかかわらず、痛みを諦めないで専門医にご相談ください。
古屋 病院を受診することに不安はあるでしょうが、手術が必要かどうかも含め、まずは気軽に相談するつもりで専門医にご相談ください。
小林 膝も股関節も、病院に来たらすぐ手術ということはまずありません。専門医に相談し、原因を調べて適切な治療を選択いただきたいと思います。
田邊 痛みがある状態で生活するのは、やはり辛いことだと思います。整形外科は命に直結する診療科ではありませんが、生活の質を上げることができる診療科だと思います。膝や股関節などで困っていることがあれば、ぜひ整形外科の専門医を受診してください。
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