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専門医インタビュー

四十肩、五十肩、腱板断裂 歳のせいだからと諦めないで 肩の痛みの治療方法は色々あります

平塚 圭介 先生
  • 平塚 圭介 先生
  • 医療法人社団青洲会 神立病院 理事長
  • 029-831-9711

茨城県

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日本整形外科学会 整形外科専門医

この記事の目次


中高年になると増えてくる肩の痛み。肩が痛い、腕が挙がらないと困っているけど、治療方法がない、歳だからと諦めていませんか。「肩の痛みに年齢は関係なく、治療する方法は色々あります。」とおっしゃる神立病院 平塚圭介先生に肩が痛くなる原因や治療法について詳しくうかがいました。

中高年に多い肩の痛みや五十肩について教えてください

一般的に多いのは肩こりですが、中高年の場合、肩関節周囲炎や、肩の腱板断裂、石灰沈着性腱板炎が多くみられます。しかし本当に痛みの原因が肩なのか、それとも首や腕が原因で肩に痛みが出ているのかを見極める必要があります。
俗に五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎は、40代、50代になり急に痛みが出てきますが、はっきりとした原因は分かっていないのです。ただ猫背になっているなど姿勢が悪い方に多い印象があります。というのも猫背だと肩の後ろ側が固くなり炎症を引き起こしていることが原因の一つではないかと考えます。肩関節周囲炎の病期は、炎症期・拘縮期・回復期に分類され、症状もそれぞれの病期で異なります。炎症期に無理に激しく動かすとかえって痛みが増すだけでなく、炎症期の期間が長くなります。五十肩だからと治療せず放っておかれる方もいますが、回復するまでには年単位もの期間を必要とする場合があります。最近ではハイドロリリースといって、痛くなっている部分を特定し、そこに生理食塩水に薬剤を混ぜたものを注射することで早期に肩が挙げられる治療法もあります。五十肩だからと放って置かず早めに専門医を受診することをお勧めします。

腱板断裂、石灰沈着性腱板炎について教えてください

肩峰、肩甲骨、上腕骨

肩の腱板は肩甲骨と腕の骨(上腕骨)をつないでいる板状のものなのですが、骨と骨(肩峰(けんぽう)と上腕骨頭(こっとう))に挟まれているのです。この腱板が事故やケガなどによって切れてしまうのが腱板断裂です。しかし高齢者の場合は、自覚症状がなくても加齢性変化によって腱板を断裂している方が意外と多いのです。腱板断裂は肩関節周囲炎と誤解されることもありますが、夜寝ている時にも痛みが出るのが特徴です。通常は痛みを抑える薬を服用しリハビリをすることで症状が改善することもありますが、症状が改善しないようであれば手術という選択肢もあります。
石灰沈着性腱板炎は、文字通り石灰が腱板に付着することで、突然激痛が走り、腕を動かすことができないのほどの痛みが出るのが特徴ですが、原因は不明です。肩関節周囲炎と似たような痛みを感じますが、超音波(エコー)検査で容易に違いを確認することができます。沈着している石灰の大きさによりますが、肩を少し切開し超音波装置で石灰部分を確認しながら針を刺し破砕するという治療が行われます。肩の表面を少し切るだけなので入院の必要はありません。

ハイドロリリースとはどのような治療なのですか?

ハイドロリリース

ハイドロリリース

ハイドロリリースとは、超音波装置で動きの悪くなっている筋膜や神経周囲に生理食塩水や低濃度の麻酔剤、ヒアルロン酸などの液体を注入して、癒着している筋膜(筋肉と筋肉の間の膜)を剥がすことによって本来の動きを取り戻し、痛みを軽減することが出来るという、最近注目され始めた新しい治療方法です。治療は早ければ5分くらいで終わりますが、痛みが出ている部分が分かりにくい場合は、場所を特定し治療を終えるまでに30分程度時間が必要な場合があります。肩関節周囲炎だけでなく、肩こりやぎっくり腰の方など幅広い年代の方が対象になる治療です。
治療を行い痛みが軽減しても、これまでと同じように長時間同じような動作を繰り返すと再発することがあります。定期的に休憩を入れたり、継続的にストレッチをするなど再発しないよう予防に取り組むことがとても大切です。


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