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専門医インタビュー

人工関節は一生のお付き合いになります 特徴や手術後の生活を考えご自身が納得する選択を

この記事の専門医

天野 貴文 先生

静岡県

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資格:医学博士 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会リハビリテーション医、人工関節学会認定医

この記事の目次

人工関節置換術を受けると身体障がい者と認定されるのでしょうか?

以前は人工関節置換術を受けた方は一律に身体障がい者の4級(足関節は5級)に認定されていましたが、2014年4月以降は本人の関節の動きや能力に応じて4-7級または非該当のいずれかに認定されることとなり、現在では人工関節の手術を受けた方のほとんどが身体障がい者の等級に該当しなくなりました。
費用に関しては、人工関節置換術は健康保険が適用され、高額療養費制度という病院などの窓口で、同じ方が同じ月内に、一定額(自己負担限度額)を超える高額の医療費をお支払いする場合、申請によりその超えた額が払い戻される制度が適用されます。また、限度額適用認定証(申請により交付)を提示すると、病院などの窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。

詳細はこちら https://www.jinko-kansetsu.com/knowledge/32.html
高額療養費制度はこちら https://www.jinko-kansetsu.com/knowledge/31.html

人工股関節の再手術が必要になる原因にはどのようなものがありますか?

全国の参加施設診療科から症例データを収集します

全国の参加施設診療科から症例データを収集します

現在の人工関節は以前と比べ格段に長持ちするようになりました。デザインや、表面の加工によっても成績にばらつきはあるものの20年以上有用との報告が多くなってきています。ただし人によって活動量などの違いもありますので、あくまで平均すると20年くらいは問題がないことが多いですよ、ということになります。
どのようなことがあると、もう一度手術が必要になるかというと、いろいろな理由が考えられます。日本ではJOANR(Japan Orthopaedic Association National Registry)といって人工関節を受けた方の情報を登録する制度があり、再手術が必要になった原因を知ることができます。この結果をみると主に①金属と骨の固定がゆるんだ②関節の中にばい菌が入った(感染)③ポリエチレンがすり減った④骨折した⑤関節がはずれた(脱臼)、などの理由があることがわかります。これらのうち①~③までは長い期間注意深くチェックする必要がありますし④・⑤についてはご自身で予防する必要があります。

退院後に気を付けることはありますか?

リハビリテーション

人工関節の手術はご自身の生活の質を改善するために行った手術なので、家事や仕事、旅行や趣味など、できることをやっていっていただきたいです。ただ先程述べたように人工関節の再手術を避けるために気を付けて頂きたいこともあります。日常生活の中で人工関節に大きな負担をかける動きは、脱臼や人工関節のすり減りの原因となりますので気を付けるようにしましょう。退院してからは日常生活を行うことが主要なリハビリテーションとなりますが、退院後しばらくは手術を受けた周辺の筋力がまだ十分ではありません。退院後も筋力訓練などのリハビリテーションを続け、訓練はリハビリの先生と相談の上で指導を受けたほうが良いでしょう。また、適切な訓練を行うことは、体重増加の予防や骨粗しょう症の予防にもつながります。
施設によっては退院後の資料(人工関節手帳など)が渡されることがあります。例えば人工関節手帳では、手術の際に使用した人工関節の種類や手術日、人工関節置換術を受けた方に対する注意事項や人工関節置換術を受けたことの証明書などが書かれていることがあります。このような手帳などの情報を活用するとご自身の安心感にもつながるのではないでしょうか。


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