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専門医インタビュー

膝や股関節の痛み 早めの受診 早めの治療が大切です まずは専門医にご相談を

この記事の専門医

鎌野 俊哉 先生

愛媛県

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2000年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学関連病院や北習志野花輪病院を経て2014年より現職に
専門分野:人工関節(膝、股関節)、脊椎、外傷一般
所属学会、資格:日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定運動器リハビリ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

この記事の目次

手術後は、どのようなリハビリテーションを行うのでしょうか?

手術後だけでなく、手術前から太もも前面にある大腿四頭筋の筋肉トレーニングを行います。術後2日目からは歩く練習を始め、理学療法士指導のもと、膝の曲げ伸ばしや歩行、階段の昇降などの練習をします。自立した歩行ができるようになれば退院します。退院後は定期的に受診し、普段通りの生活ができているか、痛みはないかなどをチェックします。併せて、膝や股関節の回復状況に合わせた自宅でできる筋力トレーニングについても指導を行います。自宅でできるトレーニングとして、例えば寝た状態で脚を真っすぐ伸ばし踵を少し浮かせる方法があります。(膝上の大腿四頭筋を鍛えるのですが)浮かせた脚を上から押して負荷をかけるとより効果が高まります。また膝と膝の間にボールを挟み、両足で締めつける方法などもあります。ポイントは筋肉を触って、鍛えたい筋肉を意識しながら行うことが大切です。このトレーニングは特に大切ですので、退院後も継続するよう指導しています。

自宅でできるトレーニング

日常生活に戻ってから気を付けることはありますか?

患者様には手術された膝関節、股関節を大切に使ってくださいと指導しています。
転倒し人工関節の周囲が骨折すると、治療が難渋する場合があるので、まずは、転倒しないよう注意してください。またリハビリを怠り筋肉が弱ると、稀に膝が伸びにくくなったり曲がらなくなってしまったり歩行困難になることもあります。良い状態が維持できるよう、術後3ヶ月はしっかりリハビリを指導します。
退院してからも定期的な受診をしていただきます。術後の合併症(感染症など)を予防するように外来受診時に指導します。例えば糖尿病がある方は悪化しないように血糖値コントロール、食生活の指導をします。糖尿病が増悪すると感染症を併発する可能性が高くなります。退院後、膝や股関節に痛みや違和感、腫脹を感じたら、すぐに診察を受けましょう。
年1~2回の定期的な外来受診を続けてください。一生のお付き合いと考えております。退院後は、特に衝撃の強いスポーツでなければ制限はありませんが、何かスポーツをしようという場合は、主治医と相談してください。

膝や股関節の痛みに悩んでいる方へメッセージをお願いいたします

現代医療において人工関節手術は機能改善が得られます。適切なタイミングで手術を受けることで生活の質が上がります。具体的には痛い膝、股関節で頑張って生活していると痛みのせいで行動制限さらなる筋力低下を引き起こし、関節の可動域も悪くなり、転倒リスクも上昇します。手術は痛みを取り除く効果がありますので筋力の維持がしやすくなります。膝、股関節に関して手術後の可動域も以前より改善しています。また手術が怖いと言われる方が多いのですが、医療技術の進歩は目覚ましいものがあり、麻酔、手術手技の技術向上、使用する器械の機能向上、さらには手術後の疼痛コントロールも格段進歩しています。高齢になればなるほど基礎疾患も増えいろいろな合併症を起こしやすくなります。手術はタイミングがとても大切です。あまりにも変形が進んだり、筋力が落ちてから手術を受けると、手術そのものが難しくなったり、期待しているほどの満足感を得られないことがあります。人工関節の耐用年数は、以前は10~15年と言われていましたが、人工関節の進歩や手術方法が向上し30年以上は持つと言われています。関節の痛みで悩んでいる方は、手術をする、しないに関わらず、整形外科専門医をなるべく早く受診されることをお勧めします。


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