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専門医インタビュー

内側半月板の後根断裂や関節リウマチは治療のタイミングが大切です 専門医にご相談ください

この記事の専門医

岡野 智 先生
  • 岡野 智(おかの あきら) 先生
  • 医療法人博俊会 春江病院 副院長、整形外科部長 関節温存・スポーツ整形外科センター
  • 0776-51-0029

福井県

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資格:医学博士、日本整形外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本人工関節学会認定医
所属学会:日本整形外科学会、日本リウマチ学会、日本整形外科スポーツ医学会、日本人工関節学会、日本骨粗鬆症学会、日本リハビリテーション学会

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この記事の目次

変形性膝関節症にはどのような手術が行われているのでしょうか?

人工関節全置換術

人工関節全置換術

ダブルレベルオステオトミー

ダブルレベルオステオトミー

変形性膝関節症などに対して、骨切り術や人工関節の手術が行われることがあります。骨切り術の条件は、膝の軟骨の損傷が内側もしくは外側に限定されている場合になります。ご自身の膝関節が温存できるので、活動に制限がない生活を希望される場合は、術後ジョギングや登山なども可能な骨切り術が有効です。ところが、数年後に手術をしたいと考えていても、変形が進んでくると、骨切り術の適応ではなくなる場合があります。制限のない生活へ復帰したいという希望があれば、タイミングを逃さず、早めの手術を検討する必要があります。そういう意味では、変形性膝関節症の治療においても、関節リウマチと同じようにwindow of opportunity(治療の機会の窓)の考え方は今後重要になってくると思います。もちろん、患者さんとよく話し合った結果、手術の希望がなければ薬物療法やリハビリテーション、生活指導を十分に行い、膝の変形が進み、疼痛が強くなった時に、再度人工膝関節の手術を検討するという選択肢もあります。
以前の骨切り術は、脛骨近位骨切り術がほとんどで内側の変形性膝関節症が適応と言われていました。現在では、脛骨高位骨切り術の改良に加え、大腿骨遠位骨切り術や、ダブルレベルオステオトミーなど様々な骨切り術も開発され、変形の程度や変形がどこで起きているかによってこれらの骨切り術を使い分けることで以前より様々な変形に対応できるようになってきています。
患者さんと医師がよく話し合って、手術後の生活にどのような希望を持っておられるかにより、骨切り術や人工膝関節置換術など色々な治療法から、患者さんのニーズに沿った治療を選択されることが大切だと思います。

手術後にしっかりリハビリを行うために大切なことはありますか?

骨切り術や人工関節の手術を行った後、家事や仕事などに追われ、退院後に十分なリハビリができず、膝の曲げ伸ばしが退院時より悪くなっている患者さんがおられます。短い入院期間ばかりに目を向けるのではなく、筋力や膝の曲げ伸ばしなどをしっかり回復させてから退院したほうがより効率的で、安心して日常生活に戻れることも多くあります。ご自宅に戻ると、しっかり自身でリハビリができないのであれば、日常生活を送るうえで必要な機能が得られるまで入院してリハビリを行うことができるのか、通院してリハビリを行うことはできるのか、などということを事前に確認しておくことも病院選びの上では大切なことだと思います。

膝に痛みがあり、悩んでいる方や治療を受けている方へ向けて励ましのメッセージをお願いいたします

関節リウマチや変形性関節症などの疾患は症状の変化も多く、治療変更のタイミングも非常に重要になります。そのためには、診察や治療、治療後のケアなどを同じ医師が一貫して患者さんを診ることができれば、詳しい経過が分かり、その変化に応じた色々な治療の提案ができます。また、膝が痛いと言っても、その原因や程度、希望される治療法は人それぞれです。痛みが取れたら、何をしたいのかをしっかり医師に伝えてください。その上で、ご自身の希望に添える色々な治療の選択肢をご提案いただける医師を見つけ、ご自身が納得できる治療を選択いただきたいと思います。


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