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専門医インタビュー

人工膝関節全置換術や単顆置換術、骨切り術と手術方法は様々です ご自身が納得できる選択を

高宮 尚武 先生
  • 高宮 尚武 先生(たかみや ひさたけ)
  • 洛和会丸太町病院 関節センター長 兼 整形外科 部長
  • 075-801-0351

京都府

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日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、医学博士、臨床研修指導医

この記事の目次

 
変形性膝関節症の治療方法は、痛み止め薬や運動療法、装具の使用や手術と様々な治療法があります。手術方法には、人工膝関節全置換術や単顆置換術、骨切り術と進行状態や活動性に合わせた治療が選択できるようになっています。洛和会丸太町病院高宮尚武先生に変形性膝関節症の治療法、人工膝関節全置換術や単顆置換術などについて詳しくうかがいました。
 

中高年に多い変形性膝関節症の治療法を教えてください

水中ウォーキング

変形性膝関節症と診断された場合、体重過多の方であればダイエットを行っていただき、あわせて膝を支える太ももの筋肉を鍛える運動療法を行います。運動療法は、できるだけ膝に負担をかけない、水中ウォーキングや水泳、エアロバイクがお勧めです。それとともに、最近では作用機序が違う様々な痛み止めの薬があるので、それらを効果的に使用したり、ヒアルロン酸の関節内注射を行うことがあります。また、医療用の靴の中敷き(足底板)を入れ荷重がかかる部分を変えたり、支柱付きのサポーターなどを使ったりする場合があります。このような様々な保存療法を行うことで、変形が軽度の方であれば痛みが軽減することがあります。

どのような状態になれば手術を考えたほうが良いのでしょうか?

痛みのせいで日常生活に支障をきたす

手術によって痛みが軽減できれば、活動範囲が広がり、ご自分がやりたいことができることが大きなメリットだと思います。アメリカのガイドラインでは、痛み止めの薬を毎日服用しないといけない状態であれば、手術を選択すべきと言われておりますが、痛みのせいで日常生活に支障をきたす、自分のしたいことができない、という場合は手術を考えてみても良いのではないでしょうか。
しかし、誰しも手術は受けたくないもので、手術を受けることで悪いことになったらどうしよう、と不安になる場合もあります。また、手術後のリハビリは、しっかり歩く、膝を曲げるためにとても大切で、リハビリをちゃんと頑張れるかということも考慮に入れる必要があります。そのため、手術で痛みが軽減出来たら、私はこうなりたい、ああなりたいと目標があるならば、手術を考えてみても良いのではないでしょうか。

骨切り術とはどのような手術なのでしょうか?

骨切り術

膝軟骨の損傷が内側のみで、比較的年齢が若く、日常生活や仕事に支障をきたしているようであれば、ご自分の膝関節が温存できる骨(こつ)切り術が選択肢になる場合があります。骨切り術は、O脚になっているすねの骨を切りX脚に変え、荷重がかかる部分を内側から外側に変える手術です。ご自分の膝関節が温存できるので、位置覚や固有覚といった感覚が残せ、違和感なく過ごせるだけでなく、激しいスポーツなども行うことができます。しかし、骨を切る手術なので、骨が癒合するまでやリハビリに時間がかかり、将来的に外側の軟骨が損傷すると人工関節の手術が必要となる場合があります。


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