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専門医インタビュー

膝の痛みだけでなく困っていることや悩みは気軽に専門に相談しより良い解決策を探しましょう

この記事の専門医

髙田 秀彰 先生
  • 髙田 秀彰 先生
  • 洛和会音羽病院 整形外科 関節外科・人工関節センター 参与
  • 075-593-4111

京都府

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専門医認定・資格など:日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医/脊椎脊髄外科専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医、臨床研修指導医

この記事の目次

感染症を予防するためには、どのようなことに気を付けたほうが良いでしょうか?

手術を始める前に、まずアルコールを使い、足、指、ツメの間まで下肢全体をくまなく消毒します。その後、通常、手術前に使用する消毒を行うなど、様々な方法を用いて手術中の感染症を予防します。しかし、感染症は手術中よりも、退院後しばらくたってから発症することのほうが多いのです。つま先にできた小さな傷が原因となることや、高熱が出た場合にその菌が血液を介して感染症の原因につながることがあります。病院で治療を行い、抗生剤を使用するなど、放って置かずに治療することが感染症の予防につながります。糖尿病の方は感染症のリスクが高まりますが、血糖値はご自身でもコントロールすることができるので、必ず血糖値をコントロールし感染症を予防するようにしてください。

入院期間中に行うリハビリや退院後の定期受診の大切さを教えてください

リハビリ室

リハビリは、CPM(continuous passive motion:持続的関節他動訓練器)と言う医療用の機械を使い、痛みを感じない範囲で、ゆっくりと膝の曲げ伸ばしを開始していきます。その後、理学療法士や作業療法士と一緒に、膝の可動域訓練や歩行訓練、お風呂に入る訓練など一人で日常生活ができるようにリハビリを行います。
退院後は、定期的に受診することを忘れないようにしましょう。定期受診では、レントゲン撮影し人工関節の緩みがないか、どのくらい膝が動くのか、どのようなことをしているのかという確認をします。その際に、曲げ伸ばしが悪くなっているようであれば、通える方であれば、改めて通院でのリハビリを勧めるようにしています。

退院後もリハビリは大切なのでしょうか?

退院後もリハビリを続けて膝の曲げ伸ばしを維持しましょう

退院後もリハビリを続けて
膝の曲げ伸ばしを維持しましょう

人工関節を長持ちさせるためには、毎日何キロも走ったり、お仕事などでいつも重たいものを持ったり、調子が良くても頑張りすぎるのは控えて欲しいと思います。しかし、折角手術を受けたのですから、どんどん歩き、ご自分のやりたいことを行って欲しいと思います。手術前は、脚が曲がり痛みをかばった状態で歩き、その歩き方が身体だけでなく頭の中に記憶されています。人工関節の手術によって、脚の形や靭帯などのバランスが変わった新しい膝になると、これまでとは違う歩き方に変えていく必要があります。歩けば歩くほど良くなっていくので、半年、1年かけて新しい膝の状態に慣れ、歩き方を改善していってほしいと思います。
手術によって膝が伸びるようになっても、放って置くと膝が伸びなくなることがあります。特に手術前に膝が伸びていない方は、膝を伸ばすことが大事なので、時間があれば、脚を伸ばし上から抑えるだけで良いので、リハビリを続けるようにしましょう。病院などに通ってリハビリを希望される方もおられます。そのような場合、健康保険だけでなく、介護保険が利用できる場合があります。事前に医師に、ご家庭などの事情も含めどのような方法が利用できるかを相談し、ご自身にあったリハビリ方法を見つけてほしいと思います。

膝の痛みに悩んだり、治療を迷っていたりする方へメッセージをお願いいたします

膝の痛みを抱えている方は、単に痛みだけを抱えているのではなく、生活や社会環境などは人によって異なり、色々な問題を抱えていると思います。整形外科を受診するということは、単に痛みの原因や治療方法が分かるだけでなく、ご自身の状況や環境に合わせた様々なアドバイスを受けることにつながります。まずは、痛みだけでなく、悩んでいることや困っていることなど、ご自分のことを知ってもらうというスタンスで、お気軽に専門医に相談していただきたいと思います。


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