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専門医インタビュー

つらい痛みをあきらめないで 人工関節置換術で何歳になっても歩ける膝に!

この記事の専門医

  • 細井 波留夫 先生
  • 尼崎中央病院 整形外科
  • 06-6499-3045

兵庫県

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専門医:日本整形外科学会専門医
関節外科専門医
  • 藤井 隆太朗 先生
  • 尼崎中央病院 整形外科部長
  • 06-6499-3045

兵庫県

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元大阪大学医学部附属病院 整形外科医員
専門医:日本整形外科学会専門医

この記事の目次

変形性膝関節症の治療にはどういう方法がありますか?

変形性膝関節症における治療の基本は、減量です。加えて、薬物療法と筋力トレーニングを行います。消炎鎮痛剤の内服、湿布などの外用薬や、関節内への注射も一時的に症状を抑えるのには有効です。膝を支えるサポーターや足底装具など、歩きやすくするための準備を整えたりアドバイスを行ったりもします。

初期の段階の治療の中でも特に大切なのは、筋肉トレーニングです。 具体的には、大腿骨四頭筋(太ももの前側の筋肉)を鍛えて膝を安定させ、屈曲拘縮(関節が曲がって固まってしまうこと)を改善します。筋肉は何歳になっても鍛えることができるし、使わなければ衰えます。「痛い」→「歩かない」→「筋力が委縮」→「体重増加」→「ますます痛くなる」といった悪循環を断つためにも、筋力強化は重要な保存的治療といえます。症状が軽ければ、筋力トレーニングと保存的治療を行うことで、手術をしなくても済む方もたくさんいます。

人工膝関節置換術について教えてください

人工関節は、コバルトクロム合金やチタン合金などの金属部分と軟骨の役割をする高分子量ポリエチレンからできています。

変形性膝関節症の最終的な治療方法となるのが人工膝関節置換術です。保存的な治療を続けたけれど、痛みが強くて歩くのが困難、動くのが億劫になってしまったという場合には、「そろそろ手術を考えて見ては?」と提案します。人工膝関節置換術は、変形してしまった膝関節の表面を取り除いて、人工の関節に取り換える手術療法です。人工関節は、大腿骨と脛骨の部分は金属、脛骨の上面と膝蓋骨の表面は硬いポリエチレンでできていて、これが軟骨の代わりになります。丁度、〝さし歯〟と同じイメージです。
なお、人工関節はあくまでも人工物ですので、一生もつという保証はありません。人工関節の耐用年数は一般的に25年といわれていますので、もう一度入れ直さなくていいように、ある程度の年齢になってからの手術を勧めています。実際には、60代後半~70代になってから、思い切って手術をするという方が多いようです。

人工膝関節置換術に「MIS(最小侵襲手術)」という方法があると聞きました

皮膚切開の長さは、従来法では
15~20cmであるのに対しMIS
では8~12cm

近年、手術の際に皮膚の切開(侵襲)の程度をなるべく小さくして、患者さんの体にかかる負担を少しでも軽くしようという手術方法が主流になってきています。人工膝関節置換術においても、皮膚を切開する長さを従来よりも小さく、筋肉も切らずに温存する「MIS(エム・アイ・エス:最小侵襲手術)」が注目されています。できれば傷口は小さいに越したことはないですし、筋肉を切らないため、術後の早い段階からリハビリを開始することができ、早期回復・早期社会復帰にも繋がります。しかしMISは、全ての方が対象となるわけではありません。関節変形の度合いが大きい、過度の肥満、骨粗しょう症を併せ持っているなどの場合には、あまり小さく切ると逆に痛みが強くなることもあり、患者さんの容態や症状によっては行えないこともあります。適切な手術の方法は、人によって様々ですから、事前に担当の医師から十分に話を聞いてください。


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