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専門医インタビュー

肩や腕が挙げられないと諦めないでください 治療困難な肩を治療する手術法が進歩し増えています

この記事の専門医

古川 龍平 先生

京都府

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専門分野:肩肘関節外科、スポーツ整形外科
専門医認定・資格など:医学博士、日本整形外科学会整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、臨床研修指導医、京都工学院高校ラグビー部チームドクター

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この記事の目次

腱板断裂を予防する方法はあるのでしょうか?

正しい姿勢を維持

腱板断裂を起こす特徴は怪我や加齢に伴うものもありますが、肩甲骨にある肩峰下面の骨棘(こつきょく)が飛び出て、腕を挙げた時に腱板が骨にぶつかりやすくなっていること(肩峰下インピンジメント)が原因になることがあります。また、姿勢も大切で、猫背のように姿勢が悪いと肩甲骨が前に倒れ腕が挙がりにくい状態になります。胸をしっかり張り、肩甲骨を立たせる姿勢を維持するようにしましょう。肩の筋肉を鍛えることだけでなく、脚や体幹など全身をしっかり整えることで、腕がしっかり挙げられるようになります。普段から足腰が衰えないように、ウォーキングをする時はしっかり胸を張り、肩を傷めやすくならない状態を維持していただきたいと思います。入院期間中には、体幹トレーニングや姿勢の指導も行います。背筋が伸びることで、首や腰の痛みが軽減される方もおられますので、肩や全身を良い状態で維持するためにも、正しい姿勢を維持し、運動を続けて行うようにして欲しいと思います。

手術後はどのようなリハビリを行うのでしょうか?

振り子運動

振り子運動

腱板縫合術を行った場合、縫合した部分の再断裂が起きないよう、小さい断裂であれば3~4週間程度、大きな断裂であれば6週間程度はしっかり固定し、手術した側の手の動きを制限します。その後、肩や腕を動かす訓練を行い、時間をかけて筋力を取り戻していきます。ご家庭に戻られてから機能が回復するまでの期間は、着替えや入浴などはご家族のサポートが必要になります。患者さんだけでなく、ご家族の方にも手術前から着替えやお風呂に入る時のサポート方法を説明し、退院後の生活の練習をどんどん行っていきます。
リバース型人工肩関節置換術の場合、約4週間の固定を行い、術後早期から振り子運動や、ベッドに寝転んで介添えしながら腕を挙げる訓練を行います。手術の翌日から手を使うことは可能なので、ご飯を食べたり、デスクワークは早くから行うことができます。日常の身の回りのことは固定を外す1ケ月くらいからできると思いますが、買い物に行って重いものを持ったり、自転車に乗ったりするのは筋力が回復してからのほうが安全だと思いますので、3ケ月くらいは注意していただいたほうが良いと思います。

肩の痛みに悩んでいる方へ、励ましのメッセージをお願いいたします

肩の痛みが原因で、肩が挙がらなくても仕方がない、趣味やスポーツなどのレクリエーションを諦めている方がまだまだ多いと思います。しかし、諦める必要はありません。肩の痛みを治す新しい治療方法がどんどん出てきています。その方の目標に合わせた治療を選択することで、諦めていた日常生活、趣味やスポーツができるようになってきています。諦めずに、一度、肩の専門医を受診することをお勧めします。


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