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専門医インタビュー

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この記事の目次

高齢化に伴い、「肩が痛い」「腕を挙げられない」といった方が増えてきています。肩が痛くなる原因は色々ありますが、自己流での治療や症状があっても受診せずに放置すると、かえって悪化することがあるようです。「痛みがあれば、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です」と話す、吉野川医療センター整形外科部長 宮武克年先生に、お話しをうかがいました。

肩は、どのような構造になっているのでしょうか?

肩関節の骨は、上腕骨(じょうわんこつ)、肩甲骨(けんこうこつ)、鎖骨(さこつ)という3つの骨で構成され、上腕骨の先端にある上腕骨頭(じょうわんこっとう)と呼ばれる丸い部分が、受け皿となる肩甲骨にある関節窩(かんせつか)と言うくぼみにはまり込む構造になっています。関節の骨の表面は動きを滑らかにする軟骨で覆われ、周囲の筋肉や腱などによって肩関節が安定しています。肩甲骨と上腕骨は、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)という4つの筋肉でつながり、肩関節を動かすための重要な役割を果たします。また、この4つの筋肉が上腕骨にくっついている部分を腱板(けんばん)と呼びます。

肩関節のしくみ

肩関節のしくみ

肩が痛む場合、受診のタイミングや日常生活での注意点について教えてください

肩の痛み

肩関節を構成する、骨や筋肉、腱板に何らかの異常が生じて肩に痛みを感じることがあります。痛みがあれば、あまり無理はしないでいただきたいのですが、1~2週間痛みが続くようであれば、一度、お近くの整形外科を受診していただきたいと思います。早期に痛みの原因が分かると治療の選択肢が広がります。また、できるだけ早いタイミングで適切な治療を受けることで、早期の回復が期待できます。病院での診察は、「いつから痛むのか」「どこが痛むのか」といった問診に加え、全身状態や肩の動きを確認します。その他に、レントゲンやエコーや、腱板損傷の疑いがある場合はMRI検査を行うことがあります。
腕を挙げる、肩をねじるなど動作時の痛みはある程度我慢できるかもしれませんが、夜寝ている時に感じる痛みはとても辛く、十分に睡眠をとることができない場合があります。そのような時は、枕やクッションを使って、快適な姿勢を保持することで、痛みを緩和できることがあります。また、運動療法も効果的なのですが、自己流でトレーニングをするとかえって症状を悪化させてしまうことがあります。理学療法士など専門の方から正しい指導を受け、正しくトレーニングを実施されるほうが望ましいと思います。

肩関節周囲炎(五十肩)、腱板断裂について教えてください

腱板断裂

腱板断裂

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎は、俗に言われる五十肩です。40~50代で発症される方が多いのですが、肩関節を構成する、靭帯や腱などの加齢性変化によって肩関節周囲に炎症が起きることが主な原因と言われています。腕を伸ばして洗濯物が干しづらい、洗顔や服の着脱がしづらい、シートベルトが締めづらいなど日常生活に支障が出てくるだけでなく、夜中寝ている時にズキズキとした痛みを感じて、ゆっくり眠れなくなることもあります。
「肩が痛い」と感じている方の中には、腱板断裂が原因の場合もあります。腱板断裂の原因は、仕事やスポーツで肩を酷使した、転倒や重い荷物の持ち運びなど肩に過度な負荷をかけたことが考えられます。なかでも、近年、高齢化が進んでおり、加齢が原因で腱板断裂を発症する方が増えてきています。年齢を重ねたことで、徐々に腱の弾力性が失われ、日常生活の中でいつの間にか腱板が切れてしまうのです。しかし、断裂しても、痛みを感じない場合もあるのですが、放置しておくと、徐々に痛みが生じ、ふとした動作がきっかけで肩が全く挙がらなくなることがあります。


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