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専門医インタビュー

肩が痛い、腕が挙がらない ガマンにガマンを重ねず早めに専門医に相談を 治療の選択肢が増えています

この記事の専門医

宮武 克年 先生

徳島県

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医学博士、日本整形外科学会整形外科専門医

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この記事の目次

肩関節周囲炎(五十肩)と腱板断裂と診断された場合、どのような治療を行うのでしょうか?

腱板縫合術

腱板縫合術

肩関節周囲炎、腱板断裂と診断できた場合、まずは、痛み止めの内服やブロック注射を行い、痛みの軽減に努めます。また、痛みを考慮しながら可動域訓練やストレッチといったリハビリなどの保存療法を行っていきます。しかし、3か月程度、保存療法を行っても症状の改善がみられない場合は、手術の適応となる場合があります。
肩関節にある関節包という袋が小さく固くなっていることが原因で、痛みや可動域が悪くなっている肩関節周囲炎の場合は、関節包を切りはがし症状を改善する手術が行われることがあります。また、腱板断裂は、スクリューの付いた特殊な糸を使い、切れた部分を縫合し上腕骨頭にくっつける腱板縫合術が行われることがあります。

人工肩関節置換術とはどのような手術方法なのでしょうか?

従来の人工肩関節

従来の人工肩関節

変形性肩関節症が進行している場合や、関節リウマチの悪化、広範囲腱板断裂性関節症によって肩に痛みがあり、日常生活に支障が出るような場合は人工肩関節置換術が適応となります。この手術は、変形した関節の表面を取り除き、金属やポリエチレンでできた人工関節に置き換える方法です。骨と骨がこすれあったことで生じていた痛みの軽減や、可動域の改善が期待できます。

従来型の人工肩関節とリバース型人工肩関節はどのように違うのでしょうか?

リバース型人工肩関節

リバース型人工肩関節

大きく分けると、人工肩関節には「従来型」と「リバース型人工肩関節」の2種類があります。従来型の人工関節の構造は、正常な肩関節と同様に肩甲骨側がくぼみ、上腕骨側が丸くなっています。しかし、腱板が機能していない場合、従来型の人工関節では肩を挙げることができないので、従来型人工関節の手術適応となりませんでした。
2014年から日本国内でも従来型とは構造を反転させた「リバース型人工肩関節」が使用できるようになり、肩の痛みの軽減だけでなく、腱板が機能していなくても肩の可動域の改善が期待できます。リバース型人工肩関節の登場は、腕が挙がらないと諦めていた方にとって大きな福音となるでしょう。ただし、リバース型人工肩関節置換術はどの施設でも受けられるわけではなく、執刀する医師には、日本整形外科学会が定める講習会への参加やこれまでの手術件数が求められ、また手術適応となるガイドラインが定められています。


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