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専門医インタビュー

股関節に痛みを感じたら、すぐに整形外科に相談しよう ~変形性股関節症とその治療法~

この記事の専門医

  • 堀田 拓 先生
  • 東京歯科大学市川総合病院 リハビリテーション科 部長・教授
  • 047-322-0151

千葉県

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専門:人工関節外科、小児整形外科、下肢の外傷(スポーツ外傷も含む)
資格:日本整形外科学会専門医

この記事の目次

市販のサプリメントはどうでしょうか?

サプリメントを飲んでも、
関節に直接効果があるわけではありません

広く世間で「関節の痛みに効く」として販売されているサプリメントには、ヒアルロン酸やコンドロイチン、グルコサミンなどがありますが、サプリメントさえ飲んでいれば、関節の痛みにダイレクトにいい効果があるというわけではありません。サプリメントを否定するわけではありませんが、関節に痛みや違和感などを覚えた場合は、まずはレントゲンを撮って、骨や関節の状態を確かめ、痛みの原因を知ることが先決です。

人工股関節置換術はどのような状態の時に選択するのでしょうか?また、手術の流れについても教えて下さい。

人工股関節置換術の流れ

痛みが強くて15分間続けて歩けない、痛みのために夜間も眠れないような場合には、人工股関節置換術を勧めます。軟骨が減ったために壊れてしまった股関節の表面を削り、代わりに金属製のインプラントと軟骨の代わりに耐久性に優れた硬いポリエチレンからなる人工股関節に置き換え、関節がスムーズに動くようにしてあげるのが、人工股関節置換術です。患者さんには、「小さな手術ではないけれど、心臓の手術のよ うにすごく大変な大きな手術でもない」と説明しています。
手術を行う際は、当院では背中からカテーテルを入れて持続して麻酔薬を注入する硬膜外麻酔と、全身麻酔を用います。硬膜外麻酔は術後の痛みを和らげるのにも有効です。手術時間は、施設によって、あるいは患者さんによって異なるでしょうが、大体1時間半~2時間程度です。人工股関節置換術の主な特徴としては、関節の痛みを取り除くことができることがあげられます。痛くて歩けない、痛くて日常生活もままならない、痛みを取り除いて旅行なども積極的にしたいという方は、検討する価値のある治療法だと思います。

人工股関節置換術は誰でも受けることができるのでしようか?

人工関節という異物を体内に入れるのですから、菌が絡んだ炎症のある状態の人や過去にそのような炎症を起こしたことがある人、例えば、骨の中に菌による炎症があり関節が変形している人などには注意が必要で、場合によっては受けることができないこともあります。しかし、腎臓透析を行っている人や肝臓の病気がある人でも、状態が落ち着いている時なら問題なく手術できますし、他の病気で入院が必要な状態でな いのであれば、基本的に人工股関節置換術を受けることができると思います。
ただ、高齢者はいろいろな病気を併せ持っている人も多いのは確かです。また、持病などがあれば、手術前に内科や他の診療科での診断が必要になる場合もあります。金属アレルギーの可能性がある場合には、皮膚科での診断も受けていただくことになります。このような状況を考えると、特に高齢の方は、幅広い診療科のある総合病院で手術をされることをお勧めします。総合病院には様々な分野の専門医が待機していますから、それぞれ専門診療科の医師の協力を得られます。総合病院であれば、どんな持病を持っていても大抵は手術できますし、もし何か起こっても適切な判断や対処をすることが可能です。


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