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専門医インタビュー

股関節疾患は適切な時期に適切な手術方法を 股関節の痛みは我慢せず早めに専門医に相談を

この記事の専門医

中里 啓佑 先生

兵庫県

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神戸大学医学部医学科卒業。米国ワシントン大学(セントルイス)整形外科留学、神戸大学附属病院整形外科・リハビリテーション機能回復学特命助教として勤務
資格:医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本股関節学会認定股関節鏡技術認定医、日本人工関節学会認定医、難病指定医、身体障害者福祉法指定医、オリックス・バッファローズ 元チームドクター

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この記事の目次

手術のタイミングを逃さないことが大切なのですか?

整形外科に相談

保存治療を続けても症状が改善せず、日常生活に支障が出ている場合は、次の段階である手術を考えてみてもいいのではないかと思いますが、手術といわれるとなかなか決心がつかないと思います。しかし、あまりに先延ばしにして歩かない期間が長くなると、筋力や骨が衰えるだけでなく、全身の色々なところに悪影響が出ることがあります。さらに、股関節の動きが強く制限されると、腰椎のバランスが崩れ、側弯症を発症したり左右で脚の長さが変わったりすることもあります。より良好な機能改善を望むのであれば、適切な手術のタイミングを逃さないことも大切です。家庭や仕事の都合で長期の入院が難しい方もおられると思いますが、以前に比べて人工関節手術の入院期間は格段に短縮しています。一度整形外科に相談されると良いでしょう。

寛骨臼回転骨切り術とはどのような手術か詳しく教えてください

寛骨臼回転骨切り術

寛骨臼回転骨切り術

変形性股関節症の代表的な手術として、骨切り術と人工股関節置換術の2つがあります。
「比較的若く」、「変形が比較的軽く」、「軟骨がまだ残っている」方には、寛骨臼の臼蓋(きゅうがい)部分の骨を切り、回転させて固定することで大腿骨頭の被覆部分を大きくする「寛骨臼回転骨切り術」が良い適応です。ご自分の股関節を温存できるので、骨がしっかりと癒合した後は日常生活動作に制限はなく、スポーツ活動への復帰も十分に可能です。ただし、手術直後から全ての体重をかけてリハビリを開始できる人工関節手術とは異なり、回復までにある程度時間が必要で、リハビリ期間や入院期間も長くなります。しかし、適切な時期に骨切り術を受けることができれば、生涯人工関節が必要のない生活を送ることも期待できます。また、将来的に人工関節手術が必要になる場合でも、受ける年齢を先延ばしにすることができます。

人工股関節置換術とはどのような手術か詳しく教えてください

人工股関節置換術

人工股関節置換術

人工股関節置換術とは、軟骨がすり減って傷んでしまった股関節を、金属やポリエチレンなどでできた人工股関節に置き換える手術です。痛みの原因となっている部分をそっくり取り除くので、除痛効果に大変優れています。治療成績も非常に安定しているため、杖にすがって歩いている、車いすが必要になった、夜間に痛みで目が覚めてしまうという方で、その状況を改善させたいと考えている場合には、積極的にお勧めできる手術だと思います。

低侵襲な人工股関節置換術があると聞きましたが

筋肉と筋肉の間から股関節に進入し、できるだけ筋肉や腱を温存して行う手術が低侵襲人工股関節置換術です。筋力が温存できるので術後の回復が早く、脱臼リスクも軽減するのが特徴です。ただし、高度な肥満の方や関節の変形が強い方では、低侵襲手術が困難なケースもあります。その場合は、手術の安全性や人工関節の設置角度の正確性を優先し、十分に切開してから一部の筋肉や腱を切り離すことになります。しっかりと適応を見極めることが大切です。
一般的な人工関節手術も低侵襲手術も同様ですが、代表的な合併症に感染症があります。その対策として、手術が決まったら、虫歯や歯槽膿漏、水虫はしっかりと治療しておきましょう。糖尿病の方は内科医の指導のもとで、適正な血糖値のコントロールをしてください。免疫疾患で免疫抑制剤を多量に服用している方は、良好な症状コントロールを心がけ、できれば薬を減量できるようにしてください。術前に、感染症の起こりにくい身体にしておくことが大切です。


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