専門医インタビュー
栃木県
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手術による痛みは、ブロック麻酔や痛み止めの内服などを使用してかなりコントロールできるようになっていますので、それほど辛い思いはせずに済んでいると思います。手術後は翌日から歩けるようになり、ほとんどの方は1週間くらいで退院されます。ただし、関節鏡による手術の場合、縫い合わせた部分が再断裂しないように、3~4週間程度は肩関節手術専用の装具で固定します。その期間、腕を動かさないでいると筋力が落ちてしまうので、理学療法士指導の下でリハビリを行ったり、入院期間中にシャワーを浴びる手順を覚えて頂きます。日常生活への完全復帰は3ケ月くらいかかると思いますので、それまでは無理をしないように注意しましょう。
リバース型人工関節の手術を受けた場合、肩甲下筋と言う筋肉を切るので、3~4週間程度は装具で固定します。特別なリハビリの必要性は低く、日常生活の中で三角筋をしっかり鍛えていくことがリハビリになります。
退院後は、リバース型人工肩関節置換術では転んで手を着くなどすると脱臼してしまう可能性がありますので、転ばないように気を付けていただきたいです。2~3ケ月程度でご自宅での軽作業が行えるようになり、ゴルフや水泳に復帰されている方もおられます。関節鏡手術では術後1ケ月後くらいでデスクワークに復帰でき、スポーツは6ケ月後くらいから復帰できるようになります。
中高年世代の肩の痛みは凍結肩である、というイメージが強く、自然に治ると思われがちで、痛みを我慢して放って置かれる方が多くおられます。しかし、その中には腱板断裂など他の原因が紛れていることがあります。腱板断裂を放置していると、経年的にどんどん断裂が大きくなり、70代、80代で断裂が見つかった時には、関節鏡での手術が困難な状態になっているかもしれません。肩に痛みがあり症状が改善しないようであれば、あまり我慢せずに肩の専門医を受診してほしいと思います。正確に痛みの原因を知ることで、治療の選択肢が広がります。ご自身がどのような生活を送っていきたいのか、どのくらいまで回復されたいかによって治療法が変わってきます。ご自身の希望をしっかり専門医に伝え、理想の生活が取り戻せる治療法を選択していただきたいと思います。
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