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専門医インタビュー

~膝の痛みのない生活に向けて~ 自分の行きたい場所に行ける幸せをもう一度!

この記事の専門医

  • 渡邊 丞 先生
  • 医療法人六人会 ロクト整形外科クリニック 理事長
  • 098-878-6910

沖縄県

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1979年京都府生まれ。久留米大学卒。モットーは「患者様の背景を大切にして、心の通った医療を行うこと」。趣味はサーフィン。

この記事の目次

では、どのような段階で手術の検討を始めるのでしょうか?

手術を選択するのは、レントゲン上で明らかに膝の変形が著しく、加えて痛みが強くて日常生活を送るのがままならない時です。例えば階段の昇り降りができないとか、数歩先行くのにも痛みを伴うとか、このような症状があらわれたら手術の適応となります。あと、膝が余り曲がらなくなってきた時も手術を選択肢として検討します。膝の曲がる角度は、日常の生活動作に非常に大きく影響しています。階段を昇るのにも最低90度は曲がる必要がありますので、実際に膝が曲がる角度などを踏まえて手術の適応を判断しています。手術を行う際、全身の状態さえ問題なければ年齢制限は設けていません。心筋梗塞とか脳梗塞などの疾患がない患者さんであれば、90歳を過ぎても問題ないと考えています。沖縄には元気な高齢者がたくさんいらっしゃいますので、90歳を過ぎても元気な人にはお勧めしています。

人工膝関節置換術について詳しく教えてください。

術後のX線と人工膝関節の一例

人工膝関節置換術とは、変形性膝関節症などによって変形した膝関節の表面を取り除き人工の膝関節に置き換えることで、膝の痛みを取り除く手術です。日本全国で年間8万件以上も行われており、膝疾患の手術方法として非常にポピュラーな方法といえるでしょう。入院期間は約2週間で、医療保険はもちろんのこと高額療養費制度の対象にもなっています。現在の人工関節は品質が向上しており、20年~30年近くもつといわれています。手術は主に「MIS(エム・アイ・エス:最小侵襲手術)」という方法で行っています。MISとは、できるだけ皮膚の切開を小さくして患者さんの負担を少しでも軽くしようとする手術方法です。傷口が小さければ出血も抑えられますし、出血が少なければ感染症のリスクも抑えられます。また、リハビリに早い段階から取り組めるというメリットがあり、術後の痛み軽減と早期回復を期待することができます。女性であれば傷口というのはやはり気になるものですし、傷が小さく目立たないことを喜ばれる人も多くいらっしゃいます。なお、手術には必ずリスクが付き物で人工膝関節置換術も例外ではありません。人工膝関節置換術の合併症として代表的なものとしては、感染症、血栓症、人工関節の緩み、脱臼などがあげられます。

術後の患者さんの様子はいかがですか?

術後に正座ができるようになる患者さんもいます

手術は1時間ほどで終わりますので、麻酔から覚めたら終わっていたという感じです。しかし手術後の2日間は痛みのピークが続きますので、背中から麻酔薬を注入します。その後は内服薬や座薬の痛み止めに切り替えていきますが、痛みは患者さん自身の感じ方などに左右されます。膝の可動域の回復は、術後すぐに効果を実感することができます。最初から完全に回復する人はいませんが、90度から100度、120度と少しずつ広がっていきます。リハビリへの取り組み次第になりますが、平均して術後2カ月~3カ月で痛みも取れてくるため、できる活動がいろいろ増えてきます。


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